子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★★ 湯温は適温、泉質は特に問題なし
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★☆☆
子連れ家族のための温泉ポイント
車を降りた私は唖然とした。
ここって・・・病院? 老人ホーム? それとも・・。
年配者向け福祉施設がそのサービスの一環として日帰り温泉を営業していることがあることや、療養やリハビリに温泉を使う病院があることは知っていたが、ここみたいに完全に病院みたいなところに来たのは初めてだったから。
正面の三階建ての大きな病棟を見て、さすがにここで使う温泉を一般観光客が使えるんだろうかと不安になった。
それもそのはず。
ここは上村病院の温泉療法専門医でもある上村晃一理事長が、予防医学、生活習慣改善といった目的から総合病院の一角に2001年に開設した健康増進施設ゆあ~ず。
病院の正面に立って横を見れば、病棟とに同じような殺風景なコンクリの建物ながら、小さな入り口に赤いひらがなで「ゆあ~ず」という力の抜ける文字がある。
近づいてみると確かにゆあ~ずの文字の上には小さく「厚生労働大臣認定 温泉利用型健康増進施設」と書かれている。
さらに入り口左の黄色い説明板にはトレーニングジムや館内温水プールの文字も。
ここは病院の敷地に建てられた健康増進施設で、患者以外も利用できるスポーツジム兼日帰り温泉という理解でいいらしい。
中に入ると本当にスポーツジムっぽい雰囲気だった。
受付で7人で温泉に入りたい旨伝えると、レジに小銭が無かったのか、お姉さんは千円札を持って奥に引っ込んだきりなかなか出てこない。
待っている間あたりを見回すと、正面のドアの奥がトレーニングルームになっているようで、誰かが筋力マシンを動かしているのが見えた。
何だか一般の日帰り温泉と雰囲気が違って面白いなぁ。
お風呂は混んでいるかと思ったが、そんなことは無かった。
病院の温泉と言えばそうだけど雰囲気の良い立派な露天風呂もあって、驚く。
たぶんリハビリ目的の人や、スポーツジムに通う人の利用が多いんじゃないかと思うが、普通に日帰り温泉として十分な設備がある。あまりに周りの環境が環境なので、知らない人は温泉だけ入りにとは寄りにくいかもしれないが。
お湯は濃い琥珀色。モール泉によくある綺麗系の透明感のある茶色。
においは何かが燻したような、焦げた感じ。わざわざ嗅ごうとしなくてもにおいの方から鼻にやってくる。嫌なタイプのにおいじゃない。においの中に少し油っぽい感じもする。
肌触りは良い感じ。少しするするする。
温度はごく適温。
上がる時に足の皮膚がちょっとちりちりっと突っ張るように感じた。
やませみ師匠に、ここの温泉は北海道の十勝川のようなモール臭のする温泉だと教わった。
そんな話を浴室の前に置かれた椅子に座って聞いていたら、「すみません」とバスタオル巻きの年配の女性が足早に横切った。
ちょうどここは浴室とスポーツジムの室内プールの間にあたるので、いちいち着替えずにバスタオルを巻いて移動する人がいるんだろう。ちょっと焦った。
ゆあ~ずの桜湯温泉は、病院棟の入り口のところにある立派な足湯でも使われている。
足湯も贅沢に掛け流しだ。
浴室同様、濃い琥珀色のお湯が貯められている。屋根も付いていて社交場にもなりそうだ。