子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★☆☆
子連れ家族のための温泉ポイント
本物のモール泉は世界でもなかなかお目に掛かれないらしい。
関東平野でもモール泉っぽい温泉にはしばしば巡り合えるが、そもそも本物のモール泉に入らないことにはそれがモール泉っぽいのかどうかすら自分には判断できない。
モールの語源はドイツ語の湿原で、植物由来の有機物成分が源泉に溶け込み、多くは黒っぽい色調と植物が発酵した時に生じるほんのりとした甘いにおいを持つ。
つるつるすべすべとした肌触りも特徴で、美人(美肌)になる湯としても知られている。
そんな感じでいつかモール泉本場の十勝川温泉に入ってみたいと思っていた。
最初は「はにうの宿」という施設で立ち寄り入浴しようと考えていたが、あいにくと閉業してしまったので「かんぽの宿十勝川」にやってきた。
しかしこのかんぽの宿十勝川も訪ねてから1年後に廃業になるとは。
いろいろ残念な気持ちでいっぱいだ。
かんぽの宿十勝川はロビーに入ると右手に受付があり、宿泊だけでなく日帰り入浴も歓迎しているようでちゃっちゃと手続きをしてくれた。
浴室の暖簾は女湯は「美人の湯」だが、男湯は「モール泉」。
とにもかくにも十勝川温泉はひたすら「モール泉」であることをアピールしている。
お昼時なのでお風呂は誰もいなかった。
お湯はパッと見は黒っぽく思えるが透明感のある綺麗な紅茶色。浴室の窓は広く取られていて塀で囲われた庭がガラス越しに見えている。
露天風呂にも出てみた。
何となく不思議な雰囲気。温泉の浴室は洋風なところも多いが、露天風呂はほとんど和風の作りが圧倒的だ。
そんな中、昨日寄った山花温泉リフレもそうだったが、やはり北海道らしいというか、和風では無い露天風呂だった。
浴槽は石でできているが、ごつごつ感の無い丸い石を使っていて、目隠しにぎっしりと植えられている植木はみな針葉樹。
極めつけは露天風呂の隣に建つサウナ小屋だった。ログ(丸太)ではないものの板張りの三角屋根の建物は、本場フィンランド風とでも言うべきか、とにかく日本らしくない。
お湯は内湯よりも露天風呂の方が少し熱めだった。
源泉温度が高いので清掃直後のお湯張り時のみ加水調節して、その後は随時源泉のみを投入、また浴槽内では消毒循環というシステムだ。
温度調節が源泉投入量で可能なのだから、何もわざわざ循環しなくてもと思わないでもない。
ばしゃばしゃと音を立てて湯口から出てくる源泉に鼻を近づけると、ウイスキーのような植物の発酵した臭いがする。
肌触りはきしつき、少し乾きかけた頃にするするとしてくる。
フィンランド風のサウナ小屋が珍しかったのか、日ごろサウナには入りたがらない子供たちが面白がって入っていた。
一気に温まるお湯ではないと思ったが、やはりしばらく入っていると中から熱くなるように感じた。