東鳴子温泉 まるみや旅館

自家源泉と赤湯共同源泉を引く湯治宿

  • 所在地 〒989-6811 宮城県大崎市鳴子温泉字赤湯33-2 TEL 0229-83-3139(留守電の場合はメッセージを) FAX 0229-83-3136
  • 公式サイトURI http://www.narukospa.com/marumiya.html
  • 泉質
     男女別小浴場(自家源泉) ナトリウム-炭酸水素塩泉(純重曹泉) まるみや1号泉、まるみや2号泉混合泉
     混浴大浴場(赤湯共同源泉) ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物硫酸塩泉(含食塩・芒硝・重曹泉) 新井2号泉、新井5号泉、唐竹沢源泉混合泉
  • 設備等 男女別内湯、混浴内湯
  • ※基本的に日帰り入浴は受け付けていない
  • ※湯治場ではあるが、小さい子供連れ家族の宿泊も歓迎するとのこと
[2006年9月のデータ  ただし一部は2016年1月改訂]

子連れ家族のための温泉ポイント温泉ランキング

  • 温度★★★★☆ 泉質★★★★☆  湯温は適温、泉質は心配なし
  • 設備★★★☆☆ 雰囲気★★☆☆☆ 日帰り入浴は受け付けていない

東鳴子温泉 まるみや旅館 体験レポート

東鳴子温泉まるみや旅館の外観

 「うちは源泉を大事にしたいからそんなに大きなお風呂は作っていないしね、混浴もあるから、日帰りのお客さんが入ることによって宿泊して湯治しているお客さんがお風呂に入れないようなことは困っちゃうんですよ。長期湯治で来る人の中には、妙齢の女性なんかもいらっしゃるからね」
 日帰り入浴を断っている理由を、まるみや旅館のご主人はそんな風に説明してくれた。

 まるみや旅館はお湯を大切にする湯治宿。
 一般的な旅館のような食事付きの宿泊は受けておらず素泊まりが基本だが、その代わりに全ての部屋に自炊設備を置いている。

 ここを紹介してくれた鳴子温泉案内人 屋代さんがしきりに「ここは味噌汁色の温泉」と言うので、玄関を入ったところで漂ってきた味噌汁の匂いに、さてはここの温泉は色だけじゃなくて臭いまで味噌汁なのかと驚いたが、何のことはない玄関入って直ぐの処に厨房のような場所が見えて、そこで今まさに湯気の立つ味噌汁をよそっているところだった。

 まるみや旅館では自家源泉の男女別小浴場と、赤湯共同源泉を引いた混浴大浴場がある。
 まずは自家源泉の小浴場に入ってみよう。

東鳴子温泉まるみや旅館の独自源泉の浴室

 お湯の臭いはもちろん味噌汁ではなくて、金属臭。鉄の臭いだが錆びてはいない。鼻は鮮度の良い金気を感知する。
 手すりのついた数段の階段を降りたところにある浴室は、お湯だけでなく床石も壁のタイルも全て赤茶色に染まっていた。

 肌触りは今日入った温泉の中ではダントツにきしきしする。
 お湯は強い濁りで、細かい湯の花が全体に攪拌されていて沈めた手足も見えない。
 味噌汁のようなという形容は面白い。緑が少し混じり込んだような茶色。土を溶かしたような色だ。
 口に含むとじゅわっとする如何にも「炭酸水素塩泉」という感じで明らかな鉄の味、そして僅かに塩味。

 今日今までに回ったお湯は、へー、鳴子温泉郷ってこんな感じなのかと次々に驚きを与えてくれたけど、このまるみや旅館の独自源泉は違った。
 新鮮な驚きではなく、どちらかというと懐かしいよく知っているような印象。
 なんとなく群馬の赤城山あたりに行くとありそうなお湯だ。あと、岐阜の平湯

東鳴子温泉まるみや旅館の混浴大浴場

 混浴大浴場は、大浴場と言う名の印象ほどには広くない。
 こちらの浴槽は角をまるめた変形四角形で、鉢植え植物が飾ってあるのが逆に鄙びた風情を醸し出している。
 お湯は少し熱め。透明だがうすら濁りでどことなく緑色がかってみえる。

 金属的な臭いの強かった独自源泉と異なり、こちらはアブラ系の臭いだ。それも湯口近くではシンナーのような強い臭いがする。
 そして入ると顕著な肌触り。すこしぬるつくようなすべすべした感じ。丸進別館には遠く及ばないが、星の湯旅館よりは明らかに滑るような感触が強い。

 個人的好みからすると、お湯の性質は独自源泉よりこちらの赤湯共同源泉の方が好きかもしれない。どちらにせよ、両方に入ることができるまるみや旅館はなかなか温泉的に贅沢な宿だ。

 拘りのご主人のいる宿 まるみや旅館。
 前述の理由で日帰り入浴は受け付けていないが、家族連れでも一泊旅行でも気兼ねなく宿泊してほしいとのこと。
 居心地が良くて永逗留されるお客さんが多いというのも頷ける。


まるみや旅館は湯けむりの町鳴子温泉案内人 屋代さんに案内していただきました。