子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★★★☆ 泉質★★★★★ 温度は適温 、塩泉なので長湯に注意
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★☆☆ 大浴場はベビーベッド、ベビーバスあり、宿泊者無料の貸切風呂あり
子連れ家族のための温泉ポイント
強羅は箱根観光の交通の要所で、特に箱根フリーパスを使って移動してみると重要性がよくわかる。にも関わらず小田急がここにホテルを建てていないのはずっと不思議だった。
そしてついに満を期して2019年に強羅に登場した小田急系列ホテルの「箱根ゆとわ」は、ラグジュアリーな「小田急山のホテル」「箱根ハイランドホテル」「小田急ホテルはつはな」とは異なり、オールインクルーシブでサービスを簡略化している。もと国民宿舎だった「小田急箱根レイクホテル」と同じ路線といえばそうなのだが、より現代風で若い世代や外国人旅行者に受けそうなホテルに仕上がった。
まず「箱根ゆとわ」の宿泊には、ホテル棟とコンドミニアム棟と2つの選択肢がある。私はオープン前に取材させてもらった後、2019年10月に家族でコンドミニアム棟に、2020年7月に仕事でホテル棟に泊まった。
個人的には広く自由で部屋にキッチンと温泉のお風呂が付くコンドミニアム棟の方が好きなのだが、コンドミニアム棟には一つだけ欠点がある。それはどうしても外を通らないと本館(ホテル棟)と行き来できないことだ。季候の良い時なら苦にならないが、真冬や雨天はちょっと面倒くさい。
別にチェックインチェックアウト時以外はコンドミニアムの部屋に籠もっていてもいいのだが、食事を本館で食べるプランにしたり、大浴場を利用したりするなら移動しなくてはならないし、せっかくなら夜にアルコールもフリードリンクになる本棚のあるラウンジにも行きたいではないか。
箱根ゆとわの館内はとても綺麗だが、どこか年季が入っているように思えるのは新築ではなく元々企業の保養所として使われていた建物をリノベーションしたからだ。強羅にはこういう物件がとても多い。ユネッサン系列の美山楓林なんかも典型的だ。
ただ現在利用されていない大型の保養所物件はもうほとんど残っていないそうで、この手も「ゆとわ」が最後かもしれない。
そんなわけで新築らしさや高級感はあまりないかもしれないが、スタイリッシュな雰囲気に仕上げてあり、ベッドの寝心地や食事のグレードはさすがは小田急なのだ。ホテルに何を重視するかで変わってくるが、気ままに過ごせればいいと割り切るなら、かなりお得だと思う。ついでに言うと、公式サイトのオンラインで販売しているコンドミニアムの素泊まりプランが特にお得だと思う。
温泉に関しては、強羅で使われるメジャーな源泉は大涌谷の蒸気をイタリ池の水に通した白濁の造成泉だが、ゆとわは無色透明の自家源泉だ。恐らく保養所時代からここで使われていたものなのだろう。
大浴場は循環だがコンドミニアムのお風呂はかけ流しと一部で言われているが、実際はコンドミニアムも浴槽内では循環、塩素消毒されている。
大浴場、コンドミニアムともに湯口から入れているのは源泉。大浴場は浴槽内で濾過循環しているのに対し、コンドミニアムは濾過せず温度調節の目的で循環しているという。消毒は既にタンクの段階で行っているそうだ。
そのせいか、やはりお湯自体はコンドミニアムの方がいいと思う。ごくわずかにゆで卵臭のするナトリウム―塩化物泉で、とろみも感じられる。湯上がりには肌に顕著なつるつる感も残る。
箱根は全般的に宿泊料が高いので、この価格でこのクオリティだったら十分お得感がある。格安とは言わないが、料金に対する満足度は高い。強羅駅から坂の上り下りせずにすぐ着く立地も気に入っている。
箱根ゆとわを取材して記事にしています。よろしければあわせてご覧ください。
⇒「箱根 ゆとわ」強羅に待望のミレニアル世代&家族向けホテル