子連れ家族のための温泉ポイント
- 湯温★★☆☆☆ 泉質★★★★☆ 熱湯の槽があるので注意
- 設備★★★☆☆ 雰囲気★★★★☆ 休憩室あり
子連れ家族のための温泉ポイント
ここの共同浴場は男湯と女湯が完全に別々の建物。最初それを知らなくて女湯の入口はどこかときょろきょろしちゃった。珍しいよね、別々に建っているの。
男湯の前には飲泉処があり、飲んでみると薄い塩味にわずかなゆで卵風味、じゅわっとして最後は喉にいがいがが残る。
とにかく女湯は独立した建物なので夫と別れてそっちへ移動。しかし受付で一悶着。使おうとした加賀温泉郷パスポートは購入した日から2日間限定なのだが、このパスポートは日付が書いていないので使用を認められないと。
どうも販売したみどりの宿 萬松閣が誤って日付を入れるべき欄に宿印を押してしまったらしい。そうは言われても、私たちは正規料金で購入しているし朝一番で入った山代の総湯では普通に使えたよ。
菊の湯のフロントのおばちゃんは凄い剣幕でこんなの使えないと私をにらむ。そして最初は絶対に使わせないと言い張っていたが、私が購入した宿に確認してほしいと言うと、その場ですぐさま萬松閣に電話して、私から聞いた売買時間やらなんやら長々とまくし立て、けんか腰に電話を終えると忌々しそうに私のパスポートに手書きで日付を書き込んだ。
「こうしなきゃ使えないのよ!私たちは日付を見て判断するんだから!(あんたが)確認しないのが悪い!手間取らせて!次からちゃんと確認してよ!」
勘弁して。私の責任じゃないし、私に言っても次から改良されないってば。
なお、男湯は何も言われずに加賀温泉郷パスポートが使えたそうな。
浴室は中央に大きな浴槽一つ。一部を区切ってそこだけ下からボコボコとジャクージにしてある。普通のところは深め。お湯の色は無色透明。きゅっとするきしつきも強くそのあと少しすべすべする。たとえるなら肌の表面にジェルを引いて直接触っていないかのような。
シャワー、カラン、掛け湯槽の水は井戸水。掛け湯は温泉と井戸水の二つが並んでいて、温泉の方だけ石術物が凄い。みんなのぼせると手足に井戸水をかけて冷やしている。
適温ですごくあたたまる。これで熱い湯だったら、山代から続けて入るのはかなりきつかったと思う。
上がった後はべたつききしつき。しかし乾くとこれまたえらくさわやかな感じにサラサラと。あまりのサラサラぶりに驚く。
塩素消毒のにおいの他はネガティブポイントは無いし、もちろんいいところだと思うが、脱衣所に貼ってある共同浴場番付で東の横綱(双葉社)に選ばれているのはさすがに納得いかない。
湯上がりに脱衣所で少し涼んでいると、さっきの受付のおばちゃんが掃除道具を手に入ってきて、常連さんに愚痴をこぼした。内容は私の加賀温泉郷パスポートの件。
「だからそういういい加減なことされると、迷惑するのはお客さんだっていうのにねっ!」そこまでまくしたて、私の存在に気づく。
ヤバっという顔をされちゃった。そうだよ、迷惑したのはお客さんである私の方だよっ!
菊の湯を出る前に、玄関前のスペースでふと天井の菊模様に気がついた。凄い。見上げて良かった。
すると例のおばちゃんが来て「ここの天井の菊は山中の伝統工芸品。ここじゃないと作れないんだ」と自慢げに言った。
「すごいですね」
また来なよって感じで、おばちゃんはへへっと笑った。口は悪いけど、中身は悪い人ではない。
2022年に再訪してきたので、ちょっと足湯+飲泉所について追加したい。
いやこの飲泉所、菊の湯に行ったら絶対に飲んでみるべき。びっくりした(前回は飲んでない)。
正直なところ、菊の湯を含めて山中温泉のお風呂のお湯は集中管理で代り映えがしないし、菊の湯は共同浴場なのに循環濾過併用塩素消毒で、掛け流しではない。
だけどさすがに飲泉所はまごうこと無き掛け流しだから。ここだけかなりはっきりゆで卵臭がするんだよ。味もわずかな苦みと塩味のゆで卵味。足湯の肌のすべすべ感もおふろの非じゃない。逆に本物の山中温泉はこんな感じなんだな。