子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★★☆ 泉質★★☆☆☆ 温度は適温、泉質は酸性なので刺激が強い。少し注意
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所の隣の部屋にベビーベッドあり
子連れ家族のための温泉ポイント
西の河原通りを歩いていると左に坂道が現れる。これが望雲に至る道。その旅館に行くためだけにこの坂があるのだと思うと、特別感があるなぁと以前から思っていた。
最近できた瀟洒なホテルっぽい旅館ではなく、なにげに慶長4年創業。かなりの老舗旅館だ。望雲七代目はかの小林一茶の友人だったというのだから。
その割には湯畑から離れているなと思えば、昔はもっと湯畑に近い立地に建てられていたものを、現在の位置に引っ越したのだった。草津図書館に展示してある古い地図を見て、あれ、望雲の場所が違うと思ったらそういうことだった。
アプローチが専用の坂ということで特別感があるが、高台の建物外観を見ればわりと普通の感じ。しかし館内に入るとまた非常に高級感のある造り。しかも2階まで吹き抜けのガラス張りの廊下が個性的。館内には沢山花が飾られていて、生け花のようなその飾り方にこだわりを感じる。望雲はどうもイメージに裏切られてばかりいる。
望雲で引いている源泉は万代鉱源泉と西の河原源泉の二本。浴室は三ヵ所あり、男女入れ替え制で使用している。日帰り入浴で訪れた時は、男湯に万代の湯と西の湯、女湯に遊山の湯だった。
万代の湯と西の湯は、その名の通り、万代鉱源泉と西の河原源泉をそれぞれ使っている。一方、遊山の湯は一つの浴室に両方の浴槽がある。つまり、男女どちらがどちらでも、両方の源泉に入れるようになっている。
いつもなら、いちいち服を着て移動しなくてはならない複数の浴室を厭う夫だが、望雲はいたく気に入ったようで絶賛していた。ぜひそのうち泊まりたいとまで言い出した。
確かに写真で見ても特に万代の湯の風情が素晴らしい。木組みの傘天井や複雑な形をしたタイル張りの浴槽など、どこか湯治場のような雰囲気を残しながら、洒落た高級感を醸し出している。
私の入った遊山の湯は、それに比べればシンプルだ。左右に同じ形をした長方形の浴槽が並んでいる。しかし古びた所のまるでない明るく綺麗に整った浴室だった。それに周囲のほとんどが囲われているとはいえ、一応露天風呂も付いていた。露天も西の河原源泉だった。
掛け湯槽も温泉を使っているようだが、水みたいに冷たかった。湯口から出ている量がタラタラ程度で少ないからだろうか。お風呂の形はシンプルでも、浴槽の縁は木製でもたれかかると癒される。
西の河原源泉と万代鉱源泉は、隣に並べて入り比べると、やはり万代鉱の方がピリピリと刺激的なことが実感できる。酸っぱいようなにおいは西の河原の方が強い。温まりすぎた時に、さっきの冷たくなりすぎた掛け湯槽のお湯をちょっと掛けて冷ますと、またゆっくりできるね。この使い方は有りかも。
ところで望雲は2017年9月から全館禁煙に踏み切った。せっかく泊まりたいって言っていたのに、ヘビースモーカーの夫には無理だね。