夫婦かっぱの湯は普通に男女別で、でもかっぱの湯に負けず劣らず川を見下ろす景色がいい。
夫婦かっぱの湯の方はワイルド感はあまりないが、浴槽の横を思いっきり開けて川が見えるようになっている。
さっきのかっぱの湯で景色のよさにわぁっとなったが、ここでもやっぱりわぁっとテンションが上がる。
どんよりした天気が多かった今回の旅行で、ロケーションの良い奥薬研の露天風呂でちょうど日差しがあったのも嬉しかった。
お湯はかっぱの湯と似た雰囲気で、ただずっとぬるめ。
壁の一部を岩を組んだ滝状にしてお湯を落としているから適度に冷めるのか。ちょうど長湯ができそうな温度。
湯の中の岩は成分で赤茶色に染まっている。
無色透明。肌触りやにおいには強いものは無い。ただ川を見ながらのんびり入るには良い環境で、お湯がここに湧いていてそこに入れるというシンプルな幸せが感じられる。
のぼせても風が吹いてきてさっぱりさせてくれるし。
ここでお湯の中の手足の輪郭がプリズム状に見えた。
硫酸塩泉に多く見られるという、大野あやさん命名の「キラキラ君」現象らしい。
成分によって屈折率が変わるからなのかな。綺麗で楽しい。
上がる時に通路で入れ違いにお風呂に向かう夫婦とすれ違った。
この方たち以外全然他のお客さんを見かけなかった。空いているタイミングだったのかな。
ところでお風呂から上がると何故か夫はまな板を持って悩んでいた。
「どっちがいいと思う?」
レストハウスの売店で売っている青森ヒバの立派なまな板。厚みもある。
「同じ大きさでも結構重さが違うんだよ。重いのと軽いのとどっちがいいかなぁ」
私は重い方が密度が高いからいいんじゃないかなと内心思ったが、重いと持って帰るのが大変だと思って黙っていた。
夫は売り場に並んでいるまな板を片っ端から持ち上げてみて、そして気に入った一枚を買い求めた。軽いやつだ。
受付のおじさんは、作っているところが直接持ち込んでいるまな板だから、普通の店で買うよりかなりお得だと思うよと言った。
しかしなんで温泉に旅行に来てまな板を買って帰る!?