湯西川温泉小旅行
*秘湯と米作り体験の旅*

7.打ちっ放しゴルフ練習場の温泉

　東京へ帰る前に、この水田の泥を落とさなくては。
　最後に寄る温泉は近いところで足利鹿島園温泉にした。
　今まで何度も佐野のJAに通っているのに気づかなかったが、JAの畑の前にも鹿島園温泉の看板が立っていた。

　佐野から足利までは近いが、道は判りにくかった。
　それでも主要な道と主要な曲がり角には、センスの良さよりも目立つことを意識したカラーリングの看板が立っている。
　最後の曲がり角の駐車場には、それこそ「ここ」としか言いようのない巨大な看板が空高くそびえていて、ようやく着いたのかと思ったら、それはただの標識で、実際の施設はまだ奥にあった。
　山の麓の打ちっ放しゴルフ練習場。
　これが足利鹿島園温泉だった。

　何だかちょっと入るのがためらわれるような入り口だ。
　寂れているような、すさんでいるような、今は昼間だけど夜にはネオンが光ることになっている「天然温泉　鹿島園　入口」の文字が泣かせる。
　何だろう、健康ランド・・・とも違うし、パチンコ屋・・・に通じるようなところもある。
　温泉施設の正面にイベントホール(ダンスホール)とかあるし、今まで回ってきた温泉とひと味もふた味も違う。
　がらは悪いが料金は安い。
　土日は大人500円、平日なら男性400円、女性350円だ(男女に料金差があるのも初めてだ)。
　受付で入浴料を払うと、子供たちには駄菓子を一つずつくれた。

　館内も年季が入っている。
　妙なつくりで、受付のある1階は他に大広間休憩室などあって、お風呂は何故か地下と2階の両方。
　地下1階には男女別の大浴場があり、2階には展望風呂があるという。いったん服を着て移動しなくてはならないらしい。
　先に地下に降りてしまうともう2階には行かないような気がして、先に2階に上がってみることにした。