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◇◆実りの山梨◆◇
御坂路さくら公園キャンプ場

8.思ったより遠い道のり











 2時過ぎ。
 キャンプ場に戻ったパパは早速火を起こし始めた。
 「子どもたち、薪を拾ってきて」
 「えー」
 「薪拾いは子供の仕事」
 パパにそう言われて、最初はぶつぶつ、そのうち夢中になるカナとレナ。
 ちび姫ちゃんはこういうの、ちょっと苦手そう。
 「できるだけ沢山拾ってきて。夜になったら寒いぞ。凍死しないためにも今にうちにみんなで薪を拾うんだ」
 上手く乗せられて、小枝からそこそこ太い枝まで三人はせっせと拾ってきた。

 この後yuko_nekoさんはトレーラーの中で仮眠を取っていたが、3時半頃起きてきて、どうする?温泉と相談を持ちかけてきた。
 「そ、そりゃ私は行きたいけど。がっちゃんは?」
 「がっちゃんもたぶん行きたいって言うとは思うけど・・・」
 うちのパパはキャンプ場に根が生えているからもう行かないだろう。子どもたちもお風呂に入るよりここで遊んでいる方がいいと言うだろう。
 これでお風呂組とキャンプ組に別れてしまえば話は簡単なのだが。
 「俺、残るよ」とがっちゃん。「やっぱ先輩(パパ)に悪いし、誰か一人残った方がいいから」
 房総半島でのキャンプを思い出すパターンだなぁ。
 とりあえず行くと決めたら急いだ方がいい。
 4時少し前、yuko_nekoさんと私はがっちゃんのデリカに乗り込んだ。
 「じゃ、行ってくるから」
 そう、私もこのときはまだ、そんなに時間が掛かるとは思わなかったのだ。





 「・・・混んでるねー」
 じりじりしながら、ちょうど塩山の辺りで夕方の渋滞に巻き込まれた私たち。
 電車の高架が見える。何だかさっぱり車が進まない。
 思えばさっきのはやぶさ温泉までだって結構遠かった。山を下って盆地を越えて、反対側を笛吹川に沿って登らなくちゃならないんだものね。
 その上私は鼓川温泉の場所をよく知らなかったのだが、鼓川温泉ははやぶさ温泉よりさらに8キロぐらい奥まったところにあった。
 何となく辺りが薄暗くなってきて、気分的に焦ってきた。もうちょっと近い場所で別の温泉に入るとか・・・あるいは来るのを諦めた方が良かったんだろうか。

 「あと少しだから」
 どんどん辺りは寂しい景色になり、まばらだった民家もついに見えなくなってきた。
 道はいつのまにか上り坂。
 「鼓川温泉はこの辺まで来るといつも来るんだよ。はやぶさ温泉みたいにぬるめで、ちょっと硫黄の臭いがするの。花かげの湯と鼓川は両方市営なんだよね」
 夕闇が迫っている。
 かなり上まで登ってきたなと思ったら、やけに立派な駐車場があってそこが鼓川温泉だった。
 「ずいぶん時間が掛かっちゃったから、ゆっくりは入れそうにないね」



鼓川温泉の駐車場




2-9黄昏の鼓川温泉へ続く


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