お風呂は男湯と女湯と自由に使って良いと言われたが、ちょうど入ろうと思ったときに男湯が使用中だったので自動的に女湯になった。
子供の声も聞こえるし、おそらく西京のご主人一家が使用中なのだろう。
電話で予約を入れた時も後ろで子供の声がしていたし、さっき館内でそれらしいお子さんたちを見かけた。
夕方に見に来た時、男湯の方が広いが、女湯の方が凝ったつくりの浴室だと思った。
女湯の脱衣所にはクレンジングオイルや湯田温泉の温泉水を使った保湿スプレーなども置いてあった。
女湯は岩風呂。
二人も入ればいっぱいいっぱいかな。底の部分は洗い場の床や壁の一部と同じ形がランダムな石のタイルになっている。
お湯は無色透明。湯田温泉ミックス泉使用。非加熱・非加水・非循環。
源泉温度が泉源では72度あるとのことで、基本的に(山口では珍しく?)熱い。
そんなわけで湯船は激熱。ちょっと入れる温度では無かったのでためらわずに水を入れた。
それほど大量に源泉が投入されているわけではないので、いったん下がると後は水を止めてもそんなにすぐに熱くはならない。
ただ、他に入る人がいないのでお湯はとても綺麗。
湯口は見当たらず、どこだろうと思ったら女湯は浴槽の中の岩の間から源泉が注入されているよう。そこは熱いと思ったのであまり近寄らなかった。
指の間がにゅるにゅるする感触のお湯。どこか甘いにおいがする。
出たり入ったりを繰り返したがあまりべたつかない。適度にさらっとする感じが心地よい。
リラックスした状態で脱衣所に戻ると、低い音で唸りながらスマホが点滅していることに気付いた。
ぎょっとして液晶のスイッチを入れる。
画面に現れたのは地震速報。
震源地は小笠原諸島。でも、でも、何故か遠く離れた神奈川県とかにも震度5強が出ている!?
日本人として震度5までは許容範囲内だが、「5」に「強」が付くと洒落にならない。
思わず焦って子供たちに安否確認のメールを送った。
すぐに戻って来た返答によると・・・
次女「大丈夫。問題ない」
長女「死ぬかと思った」
この時の地震は震源の深さ682キロととんでもなく深く、マグニチュードは8.1。
震源地に近い東京都小笠原村母島と、神奈川県二宮町で震度5強、埼玉県鴻巣市と春日部市と宮代町で震度5弱という震度を計測し、一方そこから近くても震度3に満たない地域も多かったという。
自分には揺れは感知できなかったが、この時私がいた山口県も含めて日本列島全域が揺れた地震だった。
部屋に戻るとパパもパパで私がメールするより先に子供たちにメールを送っていたようで、二人が私によこした返事は、パパに送った返事と同じだった。