8.かみのやま温泉の葉山地区
春雨庵を出て少し歩くとようやく国道に出た。
車の往来の激しい大通りで、葉山の方を見やるとずっと続く下り坂の先に今度は上り坂が見えて、帰りはこれを上ってこなけりゃならんのかと溜息が出た。
体は温まっていたのでダウンコートの前は開けたままだったが、風が冷たくしばらくだらだらと国道を下っていたら耳だけがちぎれそうに冷たくなってきた。
しょうがないので持っていたマフラーをまちこ巻にする。何か変だけどしょうがない。
坂道をひたすら下り、河崎地区の交差点を過ぎ、今度は少し登り道。
この時何だか片足がずるずる滑るような気がした。
ブーツの中敷きがずれたのかなと思ったが、そのうち忘れた。
後でその理由がわかるが。