それでは早速夫が驚いたと言うもうひとつのお風呂へ。
こちらも脱衣所から地下に降りるのは同じだが、浴槽が全然違った。石を積み上げた風の岩風呂で、浴槽自体はさっきの長方形のお風呂よりずっと大きいと思う。
熱めのそのお風呂に足を踏み入れると、底も平らではなく、そして深い。ものすごく深い。
一番深いところで90センチあるというのを知ったのは後からで、他に誰も入っていない薄暗い地下の浴室で、足を滑らせたらどこまで深いかわからないお風呂にそのまま沈んでしまいそうで、思わずびくびくしながら縁の方に留まった。
実はこの岩風呂、お風呂として外から運んで設置したものではなく、なんと中嶋旅館の建物の下に埋まっていた岩盤そのものをくりぬいたもの。
深いのも、この辺りのお風呂は昔はみんな地下に立って入るような深いものを作るのがスタンダードだったけど、そうすると深い分お湯の容量も必要だし、今はみんな作り替えて浅いお風呂になっている中、中嶋旅館はずっと使い続けているというものらしい。
湯口は上と底の方にあって、温度調節のために二ヶ所から入れているということだった。
とにかく知らずに普通に入ると「おおっと」と溺れそうになるので注意。子供だけとかでは絶対に入れちゃいかんかも。でも面白いよね。
まあ、そんな岩盤でできたお風呂なので、震度3ぐらいの地震では、揺れてることにも気づかないという話だった。