どうもざぶざぶとお風呂の中を横切らないと露天風呂に出られないもよう。
横切って、ガラス戸をあけて、石段を何段か降りたところにある変形多角形の露天風呂は、なんと白緑の濁り湯だった。
へー、ここも二色のお湯に入れるんだ。
ちょっと嬉しい。
まずは透明な内湯から。
温度は適温。特にはっきりしたにおいは無く、きしつく肌触りとぺとつきあり。
味は出汁入りのうす甘い淡い塩味。
洗い場の床の石のタイルの目地が赤いのがちょっとだけ洒落てるね。
一方、露天風呂ははっきりした金属臭がある。
温度もちょっと熱め。
葦簀のすきまから紅葉が見えそう。もみじの湯だけに。
ただまだここのもみじは色づいていない。あまり展望は無いが雰囲気はいい露天風呂。
濁り具合は沈めた膝までは見えるが足の先は見えないくらい。
析出物で浴槽の縁が盛り上がっている。
味は少しじゅわっとくる感じの塩味。
内湯できしついた肌は露天風呂でするする滑り、そのうちローションでもひいたように肌に膜ができている感じになる。
この組み合わせ、お肌にいいかも。
ところでお風呂の数が足りないような気がする。
入口には女湯は大浴場「やしおの湯」「せせらぎの湯」露天風呂「もみじの湯」と、三つ浴室、または浴槽がある感じだった。
それを踏まえたうえで怪しい場所がある。
露天風呂には内湯の浴槽の中を通ってドアを開け、石段を下りてアプローチしたのだが、露天風呂がわから見て、今来た内湯の隣にももう一つ部屋があるのだ。同じようにガラス張りで、同じようにそちら側にも石段がついている。
ただし、その部屋のガラスにはしましまのカーテンが下がっている。
浴室にカーテンというのがそぐわないので今までそこが浴室だとは認識していなかったのだが、もしや・・・
鍵がかかっているだろうと思ったそのカーテンの部屋のドアをスライドさせてみると、あれ、開く?
中にあったのは風呂の廃墟だった。
ぎゃ~っ。