廊下を進むとまずあるのが貸切家族風呂。
次に「混浴」の暖簾。
夫はそちらを見に行ったが、私は迷わず墨の湯を目指す。たぶん大出館に来たらそこは絶対入らなきゃいけない気がする。
墨の湯は一番奥だった。
順番的には貸切家族湯、混浴(五色の湯)、女湯(五色の湯)、墨の湯と並んでいる。
墨の湯一番ゲットーと思ったら、ほぼ同時に来たお兄さんが、女性が入るなら後にしますねと気を使って他のお風呂に行ってくれた。
一応大丈夫ですよ、どうぞお入りくださいって言ったけど、でもありがとうございます。申し訳ないです。
急いで浴室に入ると、年季の入ったそこには二色の浴槽。右が黒い墨の湯、左が茶色混じりの渋めの緑の濁り湯。対比が面白い。
夫もすぐにこっちに来た。温度を確かめて、緑の方はすごーく熱い。黒い方はそうでもないと言って黒い方に入った。
私も墨の湯に入ってみる。こちらは適温ぬるめ。
確かに真っ黒だけど、都内にあるようなコーヒーとかコーラみたいな黒さじゃない。
黒い消しゴムかす湯の花が大量にあるので黒く見える感じ。足などは透けて見える。
私たちが入ってすぐに一人、さらにもう一人男性客が入ってきた。
さっきの気を使ってくれたお兄さんじゃない。
まあこっちも既に濁り湯に入っているからそんなに不安は無かった。さっきのお兄さんには悪いことしちゃったな。
入ってきた一人は大出館の常連のようで、今日は墨の湯の黒が薄い、足が透けて見えるなんて、こんなに薄いのは初めて見たと言った。
さらにいろいろ聞くと、墨の湯は雨が降ると色が濃くなる傾向があるとか、隣の緑の湯も黒い日があるとか教えてくれた。
彼は大出館に来るときは同じタオルを持ってきて、どこまで黒く染められるかチャレンジ中なのだそうだ。
特に湯上りのバスタオルが黒くなるんだよねって言っていた。
まあこんな人たちばっかりなら混浴も悪くないんだけどね。
コップがあるので墨の湯を飲泉してみる。
最初はいきなりミントの香りがして「えっ」と思う。
ゆすいでもう一度汲むと、ゆでたまごのにおいになった。
誰かこのコップで歯磨きしたやついないか?おい
夫は墨の湯を上がる前に隣の緑のお湯にも入ってみた。
相当熱いのに普通に入っているので他の人もびっくり。よく入れるねと言われる。ホントみんなぬるいの好きだね。
夫曰く、表面は熱いけど入っちゃえばそうでもないと言うので自分も入ったら入れた。
熱すぎてすぐに出るというほどでも無かった。
タオルを黒くする気は無かったのでこちらで少々黒い湯花を落とすつもり。
こちらのお湯は腐ったゆでたまご臭が強い。
肌触りはするする滑る感じ。
こっちも湯口にコップがあったけど、流石に湯口近くはもっと熱そうだったので近寄らなかった。