四万温泉の積善館には本館、山荘、佳松亭という三つの棟があり、それぞれに異なる趣を持っている。
本館は、朱塗りの橋のある表通りに面した江戸から明治にかけて建築、増築、修繕された建物で、現在は日本最古の湯宿建築として群馬県の重要文化財だ。
最近では山荘、佳松亭と同様の夕食を付けたプランも出ているようだが、基本的には湯治棟の扱いで食事もオプションで積善館オリジナルの弁当となる。
山荘は手狭になった本館を昭和初期に増築したもので、本館の奥に繋がるように建てられている。
ここはここで本館ほどの歴史は無いものの、それでも十分に古式ゆかしい桃山風建築で、国登録文化財、群馬県近代化遺産に指定されている。
もっとも新しいのが昭和の終期に建てられた佳松亭で、山荘のさらに奥、朱塗りの橋が掛けられた四万温泉のメインストリート側ではなく、四万バイパスからアクセスした方が良い。つまり、積善館には入口が二つあり、片方は本館に面した朱塗りの橋、もう片方は佳松亭に面した四万バイパス側の玄関となる。
三種類の棟のどこに泊まるにしても、駐車場は佳松亭側にあるので車で来た場合は四万バイパスから入った方が良い。
じゃらんのプランには、本館に泊まるものと、山荘または佳松亭に泊まるものと大きく分けて二種類が出されていた。
さらにそれぞれに夕食その他で細かい区別があったが、本館に関しては一室だけあるという温泉を床下に引いた天然床暖房部屋も格安で提示されていた。
この部屋だけは例外的に冷房が設置されているようだ。
といっても季節は思いっきり夏。
いくら寒がりの私でも手動調整不可な真夏の天然床暖房はなぁ・・・ということで、今回は無難な山荘または佳松亭に泊まるプランで申し込んだ。
夏休みと言うことで、何故か千と千尋のカオナシが遊びに来るプランと書いてあった。
今回は子どもたちいないからカオナシいなくてもいいんだが・・・。というか、子どもたちいても、もうカオナシで喜ぶ年じゃないか。