13.御夢想の湯と甌穴
部屋で落ち着いたところで子供たちを残し、親はお風呂に行ってくることにした。
森のこだまはさっき入ったし、花湧館の翠の湯は夜に入ればいいから、今度はがっちゃんが、気に入っているという御夢想の湯に行くことにした。
御夢想の湯は総檜の内風呂だ。
四万の御夢想の湯といえば、
日向見にある共同浴場だが、ここもネーミングの由来は同じだ。
大江山の酒天童子を退治した碓井貞光の夢枕に童子が立ち、霊泉を授けたと言われる伝説が起源だ。
思ったより広々とした綺麗な浴室で、湯気が籠もっている。
先ほどの森のこだまと違って、出汁のような臭いがほんのりと漂っている。
てっきりアブラ臭の一種かなと思ったのだが、後でやませみさんにそれは木の臭いだと教えてもらった。
浴槽や浴室の材質で、こんなにもお湯の印象が変わるのだなと実感させられた。
御夢想の湯の脱衣所からは、もうひとつ庭園露天風呂 甌穴へも出ることができる。
かなりぬるめだった。
yuko_nekoさんに、先端の方に行くと建物の窓から丸見えなんだと聞かされて、思わず振り返ってしまった。
庭園露天風呂と言ってもそれほど景色は良くない。男湯の方はもうちょっと良いのかもしれない。