12.子供たちの力関係と携帯ゲーム機の洗礼
四万たむらに戻ると、takayamaさんと小枝子パパを除きみんな集合していた。
四万たむらの本館と、湯治棟の花湧館の間は、いったん玄関を出て外を通った方が近いのだが、地下の廊下でも繋がっている。
後で小枝子パパと晶ちゃんに、みんなこの廊下を通ると暗~くなるんだよ、と教えてもらった。
豪華でぴかぴかだったたむらと比べて、廊下の先は如何にも古びていてがっくりするのだそうだ。
ま、まあ確かにギャップは激しい。
でもそれはあくまでもたむらの玄関から入って帳場でチェックイン手続きをしたからで、最初から花湧館だけ見れば別に粗末でもなんでもない。
何事も上を見ればきりがないのだ。
しかもお風呂だけは花湧館に泊まろうと、
グランドホテルに泊まろうと、たむら系列の全てのお風呂に隔たり無く入れるのだし。
ここで少しトラブルがあった。
だださんと晶ちゃんが先にたむらと打ち合わせをして、下見もさせてもらったのに、今日案内された部屋が、予約した部屋と違うと言うのだ。
責任感の強い晶ちゃんが涙ぐんでしまったが、全員分の布団さえあればあとは誰も細かいことは気にしないって。
子供が二人いるということで、幹事さんたちは我が家には特別にトイレ付きの部屋を振り分けてくれた。
これはありがたかった。
なぜなら、寝る直前までその部屋は、私たち一家の部屋ではなく、子供部屋として機能していたからだ。
我が家の二人の娘たちと、yuko_nekoさんちのちび姫ちゃん、そしてたーくん一家のMちゃん。この四人がずっとその部屋の中で仲良く遊んでいたので、廊下に出なくてもトイレが付いた部屋はとても役に立った。