8.湯田中大湯で途方に暮れる
湯田中ロープウェイ乗り場や平和の湯の前を通り関谷醸造場を過ぎたところで右へ入る。
ここまでの道は真新しく広々として温泉情緒らしいものは無い。弥勒の湯や平和の湯といった外湯も新しく綺麗で清潔そうだが湯屋建築の屋根のカーブみたいなものが無く、直線ばかりで風情には欠ける。
右手に足湯と一茶ゆかりの梅翁寺が見えると、道は左に折れている。この辺りは老舗旅館が建ち並び、湯田中らしい雰囲気のある町並みだ。
どっしりと大きな
湯田中大湯が見えてきた。
思っていたより大きな建物で、はじめは旅館かなにかかと思ってしまった。
湯田中大湯は日本温泉協会が発行した雑誌「温泉」47巻10月号で、共同浴場番付東の横綱に選ばれた。このときの西の横綱は道後温泉、そして渋温泉も東の前頭に選ばれている。
さあその横綱の実力を見てみようとドアに手を掛ければ・・・
がちゃがちゃ・・・
がちゃがちゃ・・・
あれ?
鍵かかってる。
何で?
3時まで大湯を開放するって湯けぶりウォークの会場で確かに言っていたのに。
中からは人の話し声が聞こえるから誰か入っている様子。何かの間違いかと男湯の入り口に廻ってみても、
がちゃがちゃ・・・
やっぱりこっちも鍵がかかっている。
途方に暮れた。
せっかくせっせと坂を上って湯田中まで来たのに・・・どうしてくれるの?