4.沖縄の温泉
山田スパはこのルネッサンスリゾートオキナワの二階にある。
ロビーに取り付けられた洒落た階段を上り表示に従って右手奥に向かうと、リゾートプールの受付のような場所があり、ルネッサンスリゾートオキナワ及び系列ホテル宿泊の場合は割引料金、そうでなければ1,050円の料金を支払う。
脱衣所は広々としているが、特にその一角にリゾート柄のソファが置いてあり、温泉というよりリゾートホテルらしさが出ている。
湯上がりには冷水機から、水ではなくなんとポカリスエットが飲み放題。
露天風呂は無く内湯だけ。
長方形の浴槽がひとつで、僅かに白っぽく濁ったお湯が湛えられている。
冷鉱泉なので湧かしているが、季節により調整温度は異なり、今の季節は真夏なので38度に設定されている。
まったく痛んでいない柔らかいゆで卵の臭いと、他に何か華やいだ臭いがする。
肌触りはきしつく感じ。塩分が乾いて肌がつっぱるようなところもある。
あまり鮮度の良い感じはしないが、部分的に床のタイルが茶色く色づいている。
一番気に入ったのはやはり窓の外の景色。
窓自体小さく、植え込みが邪魔であまりよく見えないが、こんな風にコーラルブルーの珊瑚礁の海を見ながら入れる温泉なんて日本中探しても滅多にない。
ちょうど浴室から見えるのはルネッサンスリゾートのビーチらしく、浮き輪を手にした親子連れやマリンスポーツをする若者の姿が見えていた。
私たちが入ったとき、先に来ていた親子連れの、カナと同じくらいか少し上の姉妹が人魚のように長い髪の毛を束ねもせずそのままお風呂に入り、二人してゆうゆうと泳ぎだしたのには目を丸くしてしまった。
当然カナやレナも、「泳いで良いの?」と私に聞いてくる。
いくらビーチが見える温泉でも、高級リゾートホテルの温泉でも、プールじゃないんだからそれはまずいんじゃない?
姉妹の母親は自分を洗うのに一心不乱だったので、本人たちに「泳がないでね」と伝えた。
姉妹は顔を見合わせて、それから最後までちらちらと私の方を見ていたが、あまり泳がなくなった。
こういうのって難しい。