「天下乃名湯 眞湯」の石碑が立つここは、本当に印象的なお湯。
野沢温泉に来たらぜひ入っておく一湯だと思う。
今回はというと、非常に賑やかだった。
先客は観光客とおぼしき三名。
そこにあやさん、えんぴつさんと私が入って計6名。
先客の三人は水をいっぱいまで出しながら渾身の力を込めてかき回していた。
手を入れてみると熱いけど、別に入れそう。えんぴつさんも隣で手を入れて35度ぐらいだと口にする。
掛け湯をして入ったら先客の方々がよく入れるねと拍手してきた。
私はさっさと入ってしまったが(ごめん)、えんぴつさんはみんなが入れるようにと気を使ってゆもみを続けた。
凄いのはお湯の状態。こんなのは初めて見た。
なんかね、緑と黒の消しゴムかすが大量に入っている中に体を入れる感じ。
いやいや消しゴムかすの中に体が沈む感じというか・・。
もんのすごいの、湯の花の量が。ひとつひとつの湯の花も大きいし。
マッチのような強いにおい。戦いを挑まれてる系のパンチが強いお湯だ。
肌触りはするするする。湯の花消しゴムでデトックスしたわけじゃないけど。
大変にインパクトの強いお湯だったが、全員がいっせいに上がると、瞬時に湯の花は底の方に沈んでいき、さっきまでの強烈な見た目はすっかり消えてしまった。
お湯はうっすらと緑白色に濁っているばかりで、消しゴムかすの影も見えない。
激しく湯もみをしたからこそ、あの尋常ならざる湯の花が見えたのだ。
でも戦いの痕はしっかり残っていた。
湯上りのみんなの背中は煤でもついたように黒い点々。体をふくのに使ったタオルは黒カビでも生えたかのように凄い状態になってしまった(見た目はかなりイマイチ)。
この時一緒に移動していた義満さんが真湯には入らなかったことを後で知った。
義満さん曰く、真湯は過去に入った時とても評価が高かったからとのこと。その気持ちは何となくわかる。
ちなみに静泉荘の女将さんに伺った話では、地震以来真湯の温度がとても下がってしまい(あれでも?)、地元では改めて引き直した方がいいんじゃないかという話も出ているそうだ。
そして真湯の地元の人も麻釜湯に行ったりするようになっているそうだ。