が、しかし最初からいきなりトーンダウン。
「熊の手洗湯が改装中で入れないらしい」
「えーっ」
それとまずは出発前に旅館組合のショップに入って朱印帖ならぬ集印帖購入。のび太さん、えんぴつさん、あやさんなどが買い求めた。
これは野沢温泉の外湯や観光スポットの前に置いてある集印台を使って印を集めるというもの。
13枚以上集めると、岡本太郎の「湯」の字が染め抜かれたタオルが記念品としてもらえる。
外湯を回るだけでも13集まるし、麻釜周辺だけで3つは集まると受付の人は言う。
確かに旅館組合を出た目の前にも一つ集印台はあった。
でも自分はこの集印帖、ひとつ454円はちょっと高いと思って買わなかった。渋温泉の九湯巡りも最初に回った時は巡浴手ぬぐい買わなかったもんね。買ったのは二度目に回ったパパと一緒の時だ。それもパパが買いたいって言ったんだった。
しかしこの集印帖が予想外の手間に。
スタンプを押して回るのではなく、複写式の紙を型に押し当てて据え付けの木の棒でこする拓印方式。
一人ならまだしも数人で一つの集印台をかわるがわる使うとなると一か所あたり積もり積もった時間は結構なものになる。
だからいつの間にか集団はばらけ、本気で分刻みの計画を実行するつもりだったナイジェルさんは最初の外湯を上がった頃には姿を消していた。