最終日 2006年8月28日(月)
うっかり携帯のアラームを切り忘れた。
今日は本当なら平日だったので、目覚まし代わりの音楽が朝6時半に鳴り響いてしまった。
パパが睨んでいる。
ごめんごめん。
目が覚めたついでに朝風呂に行ってこよう。
昨日はなんだかんだで宿のお風呂以外入れなかった。せっかく福島まで来ているのになぁ。安達太良山の山麓には土湯峠周辺を始めなだたる温泉街・一軒宿の秘湯がひしめいているのに残念だ。
今日はどこか入れるかなぁ。
せめて一ヶ所ぐらい・・・。
ざばざばと桶で足にお湯を掛けていると、もう一人、朝風呂を求めて入ってきた人がいた。
ああ、確かうちと同じで土曜日から泊まっているお母さんだ。
いつも幼稚園児ぐらいのこちらを睨んでばかりいる無口な男の子と、生後半年ぐらいのぽちゃぽちゃに太った可愛い赤ちゃんを連れている。子どもたちはまだ寝ているのか、今は一人だった。
昨日まで出しっぱなしになっていたシャワーが止まっているのを見て逡巡している。
だからおせっかいと思いながら言ってしまった。
「こっちのシャワーを直してくれたみたいですよ。でもそうっと捻らないとすぐに外れちゃいますけど」
「あっ、ホントですねぇ」
彼女は私が露天風呂でのんびりくつろいで、そろそろ上がろうかと内湯を通ったときもまだ洗っていた。
きっと子どもが小さいからなかなかのんびりお風呂なんて入る暇も無いんだろう。
脱衣所の方を見ると、幼稚園児のお兄ちゃんがガラスに張り付いてこちらを見ていた。お母さんを捜しに来たものか。
これじゃおちおち体も洗っていられまい。