小浜温泉はアメリカ大統領に名前が似ていることから知名度が上がったが、そうでなければ長崎県の温泉、島原半島の温泉と言えば何と言っても雲仙が有名で、その陰に隠れていたような印象がある。
しかしその歴史は古く、奈良時代に天皇に献上された風土記の中でも現存する五つのうちひとつとして知られる肥前風土記に既に存在が記されている。
湯量15,000トン、源泉温度105度という数値も堂々日本一。
熱川温泉あたりでも100度を超える数値を見たことがあったが、100度超えると既に液体じゃないんじゃないかという気もする(湧出時に圧が掛っているとガスにはならないのだろうか)。
おまけに風光明媚な橘湾に面したロケーションで、ここまで条件が良いと、もっともっと有名になってもおかしくないんじゃないかと思うくらい。
いや、本当にいいところだと思う。
イルカウォッチングに行く前にバスで通過した時から思ったが、町の本当にあちこちから湯煙が上がっている。
風向きにあわせて一斉にたなびく湯煙。
それはもう、温泉櫓からだけでなく、水路に添ってめぐらされたパイプや道路の側溝などからもこれでもかと湧きあがる。
湯量日本一の触れ込みは伊達じゃない。
最初は
旅館國崎の玄関を出た脇之谷通りを進んだ。
ちょうど海沿いの国道251号線の一本陸側になる。
裏通りにあたるのかほとんど人影は無いが、お祭りらしく通りの頭上にジグザグに万国旗が張られている。
途中で海側に折れてみた。
小さな公園があって、すぐに海に出る。
251号線を越えるとそこから海側は埠頭になっている。
お祭り会場の中心はさらに右手に進んだ辺りのようだが、とりあえず何も考えずに直進して海に向かってみた。
直進すると、小さな製塩所があって、その先が海だった。
海には二隻の軍艦が停泊していた。