◆◇長崎旅行記◇◆
小浜温泉湯祭りとハウステンボス

20.旅館國崎

　中に入ると、静かな廊下が見えた。
　玄関左手に帳場があり、そこで受付を済ませると、帳場の正面のスペースに案内された。
　手作り風の民芸品などが並ぶそのスペースの中央には丸テーブルが置かれ、数脚の椅子が囲んでいる。
　丸テーブルのまん中に水を張ったやはり丸い大皿が置かれ、ペイントした小石や水草がレイアウトしてある。
　「本物の魚がいる!」
　子どもたちが驚いた声を上げたので見ると、その浅い皿の中には小さな魚が泳いでいるのだった。

　若い仲居がお茶ときなこ餅を運んできた。
　受付をしてくれた女将かなと思われる女性が、花火大会のパンフレットと「小浜のこぶみ」と書かれたマップを差し出した。
　見ると、花火大会のパンフレットには「アサヒビールプレゼンツ　第25回雲仙市　全九州花火師競技大会」と書かれている。
　素泊まりの宿泊プランを頼んでいたので、お勧めの食事処を聞くと、マップを広げて湯処味処よしちょうという店と、和洋茶屋花春という店を教えてくれた。実は小浜温泉は小浜ちゃんぽんというご当地ちゃんぽんを売り出し中なのであるが、その両店は子ども連れでも入りやすい店なのだそうだ。