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◆◇長崎旅行記◇◆
小浜温泉湯祭りとハウステンボス

13.かづさイルカウォッチング






 集落ごとに細かい停留所がいくつもあって、地元の人が乗り降りする。
 乗ってくるお客さんがいるたびに、バスの運転手は「橘神社の渋滞で遅れてすみません」と謝罪する。
 それだけ今日の渋滞は、日常ではなかったのだと思われた。
 千々石で止まっていた時間はおよそ20分。
 出港30分前到着としたら、元々余裕を見ていた時間が10分程度なのだから、かなりぎりぎりだと思う。
 かなりぎりぎりながら、何とかなる時間でもある。
 渋滞中はどこまで続いているか判らずものすごく焦ったが、終わってみたら運には見放されていなかったと判った。







 小浜温泉を過ぎると、後は大きな町は無かった。
 小さな入り江や奇岩を見ながら海沿いの道を行くと、やがて水月橋に着いた。
 降りた客は私たち三人だけ。
 到着時刻は2時4分。
 ほとんど何もない、小さな漁港沿いの道路にぽつんと立つバス停が水月橋。
 堤防に添って元来た方を振り返れば、漁港の駐車場とおぼしき所にたつ簡易な建物に、「イルカウォッチング」とか「イルカのりば」と書かれている。
 「イルカのりばは無いだろう、イルカに乗るわけじゃないんだからさ」とカナと笑いながら、私はそちらを目指して歩き出した。





 今回の旅行では、カナとレナにも見たいもの、やりたいこと、食べたいものなどの意見を出してもらった。
 カナの希望はイルカウォッチングと佐世保バーガーとハウステンボス。
 レナの希望は桃カステラと双葉屋のフルーツ大福とハウステンボスだった。
 長崎のイルカウォッチングをネットで検索すると、水月橋のかづさイルカウォッチングと、口之津の口之津観光船企業組合の二か所が引っ掛かってきた。
 この二つからかづさイルカウォッチングを選んだのは、ウェブサイトが整理されていて判り易く、特に出港時間が明記してあった点からだった。







1-14イルカウォッチングに出発へ続く


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