銀嶺ゲレンデのリフトの上からゲレンデを見下ろすと、あちこち雪が溶けて土が露出した部分が見て取れ、さらにその土の間に鮮やかな黄緑色の草が生えているのが見えた。
「あれって蕗の薹だね」とパパ。
「だよね」と私。
美味しそうだな。
蕗の薹というと私たちは思い出すことがある。
それは昔子どもたちがまだ生まれる前、ゴールデンウィークに山形の
滑川温泉に泊まったときのことで、滑川温泉から徒歩で
姥湯温泉まで歩いて行く途中、道ばたに沢山蕗の薹が顔を出していたので道々摘んで歩いたのだ。
そして自炊設備のある滑川に戻って料理しようとしたのだけれど、当然天ぷら粉など持ち合わせていない。仕方なく一緒に来た友人がたこ焼きを作ろうと持ってきたたこ焼き用の粉をつけて揚げた。
あれが記憶の中で今も思い出せるような味。美味しかった。
今見下ろしているスキー場の蕗の薹はリフト乗り場のすぐ近く、ちょっと歩けば摘めそうな場所。誰も摘まないのかな。