4.赤倉温泉スキー場
このシーズンはさよならキャンペーンと言うことで、昨日も今日も小学生以下の子供たちはリフト無料。
大人も一日券が2,500円とリーズナブル。
今日はとにかく滑れるだけ滑って帰るんだから、そんなに焦らなくても大丈夫だって。
リフト乗り場も誰も待ち人がいない。
係りのおじさんも暇そうだ。
レナがパパと。
カナがママと。
ときどきリフトの下を横切る小動物の足跡を探しながら。
さて、
赤倉温泉スキー場は大きく分けると二つのエリアに分かれる。
妙高山に向かって左手が赤倉まえやまエリア。
標高2千メートル弱の前山の中腹まで登るコースで、スカイケーブルや複数のクワッドで一気に高度を上げ、中級から上級者まで楽しめるようになっている。
もうひとつが妙高山に向かって右手の赤倉くまどーエリア。
温泉街よりさらに低い所まで巾広に広がるゲレンデで、初級者コースが多いのが特徴だ。リフトもほとんどのんびりとしたペアリフトだ。
チケットもそれぞれのエリアごとの独立券から全山の共通券までいろいろある。
まあ今回はさよならシーズンで、全山一日券が割安になっているのでそれを使ったが。
そして両エリアとも、複数のリゾート開発業者が開発しており、くまどー、銀嶺、ヨーデル、中央、チャンピオン、観光ホテルとそれぞれに名前の違うリフトを運行している。
初級者ファミリーとしては、くまどーエリアを中心に滑るのが良いだろう。
一番右端の銀嶺で足慣らしをして、徐々に中央へ移動することにしよう。
それにしても良い景色だ。
こんなに景色の良いゲレンデで滑ったのはいつ以来だろう。
空は真っ青で、谷の向こうに長野県側の山々。
春なので暖かくぽかぽかと快適な陽気。
おまけに昨日までの大雪で、信じられないほど雪質がよい。
きゅっきゅっと鳴りそうな新雪。
加えて銀嶺ゲレンデには他に人影もなく、まるで広大なプライベートゲレンデだ。
こんなに条件の良いスキー、あってもいいのかと思うほど。
「真っ直ぐそのまま滑り降りて下さいねー」
リフトの係員の言葉に従い、何も考えず立ち上がり、すーっと前方に滑ろうとしたら・・・
あれ?
ガンッ!
いきなり、さっきまで座っていたペアリフトの座席が後方からお尻を直撃した。
積もった雪にばったりと倒れる。
一瞬何が起きたのか判らなかった。
「何リフト止めてるんだよ」とパパ。
だって、普通に滑り降りようとしたら、滑らなかったんだもんっ。
「・・・そのスキー板、10年近くワックス挽いてないからな」
どおりで!!
仕方がないので次からは、降りたリフトに追い付かれないようにせっせとストックで漕いで離れることにした。
もうっっ。