1.本栖湖のMOSSY(モッシー)
トイレに行きたいというカナに起こされたのは午前5時。
外は明るかったがまだ日も昇っていない。
テントから出てみると、湖の上にうっすらと幻のように富士山がそびえていた。
やがて左手の山の頂上から朝日が昇り、上空に漂っていた黒っぽい雲も消えていった。
朝の静かな湖も、完璧なコニーデ型のシルエットを描く富士も、青灰色の筆で描かれた墨絵のようだった。
今日のプランをどうしようか。
パパはここ二日、まともにランチを食べていないので、ちゃんとした店でちゃんとしたランチが食べたいと言う。
それに昨日ちょっと
下部温泉に行ったきり、どこにも出かけていないので少し観光らしいことをして帰ろうということになった。
パパが立てたプランは、朝霧高原の方へ行き、まかいの牧場で遊んでから、帰りがけにプールも着いた
新稲子川温泉ユートリオに寄る。
ママの立てたプランは、まかいの牧場の代わりに富士国際花園。新稲子川まで行くなら佐野川温泉に惹かれるが、まあ今回はプール付きのユートリオの方が無難だろうとそこは口に出さなかった。
子供たちに選ばせると、牧場よりロリキート。
富士国際花園では色とりどりのインコ、ロリキートに餌付けすることができるのだ。
うちの子供たちは
オーストラリアの
レインボーロリキートが大好き。
朝霧高原に行くならランチは銀座スエヒロ。
スエヒロの富士店では富士山の溶岩プレートで焼いた焼き肉が食べられる。
去年も一度食事した。
パパのお気に入りの店。
テントの撤収を済ませ、最後のトランポリンをして、本栖湖を後にした。
いつも滞在は三日程度と短いけれど、今までで一番多く使ったことのあるお気に入り、浩庵キャンプ場。
また来年の夏も来るだろう。
最後に富士山を見せてくれてありがとう。