5.嵐の前ぶれ
ブルーベリー狩りを終えた後、トマトランドのおじさんは摘みたてのプラムを食べさせてくれ、それからサービスでバジルも摘ませてくれた。
このバジルがまたトマトとよくあうし美味しいんだよね。
昨夜なんかつまみがなくなると、自分はバジルをそのままちぎってつまみにしていた。
おじさん曰く、「バジルは丈夫で切った茎をペットボトルなんかに水を入れて挿しておくとすぐに根が出てくるんだよ」
「へえー」
「ラベンダーも試してみたけど、あれは駄目だった」
yuko_nekoさんが、ハーブの保存法や使い方は若奥さんが詳しいと教えてくれたところへ、その若奥さんが戻ってきた。
トマトは品切れだけど、トマトソースはあるという。
yuko_nekoさんは早速若奥さんのところに買いに行った。
そろそろお暇するようかなと空を見上げたら、農場の誰かが「あの雲が怪しい」と呟いた。
西の空からわいてきた雲はそれほど黒くなかったので、まさか雨は降るまいとたかをくくっていたが、アライ・トマトランドを出る頃には既にぽつりぽつりとフロントガラスに雨粒が当たり始めていた。
まさか本当に、帰路は大雨?
今回最後の温泉は、takayamaさんお勧めの塩河原温泉渓山荘で考えていたが、こちらは旅館なので諦めてセンター系に行くことにした。
子供たちは遊びたいし、ドライバーたちは休憩室でゆっくりしたいので。
トマトランドからは望郷の湯が見えていたが、そこではなくyuko_nekoさんお勧めの
南郷温泉しゃくなげの湯に行くことにした。
yuko_nekoさんにとってはこの辺りはかつての庭のようなもので、彼女に任せておけば間違いない。