二箇所温泉を回って
松川渓谷温泉に戻ってみると、ちょうど時間が2時だった。
松川渓谷温泉を出るとき、がっちゃんはトレーラーがあるのでどうしてもこの場所に車を停めたいというのがあって、戻って来るまでパパにその場所を取っておいてほしいと頼んでいた。
最初はパパの車で場所取りしようという話になっていたのだが、戻ってみると笑っちゃうことに、車ではなくパパ自身が座って場所取りしていた。
車が入るべき場所に、キャンプ用の椅子を出して鉢巻き姿でビールを飲んでいる。
その様子はまるっきり客に見えない。
偉そうだし、駐車場我が物顔でなにもの? という感じ。
「そうなんだよー、日帰り客が次々俺に、受付を頼もうとするんだよ」
宿の人じゃないっつーのに。
似非主人であるパパしかそこにはいなくて、宿の人たちは露天風呂のある川沿いにいるようだったので、宿泊者専用のブザーを鳴らすと、さっきのご主人が上がってきてドアを開けてくれた。
私たちの部屋は入り口から一番近いところ。
yuko_nekoさんたちの部屋はその隣。
駐車場から見るとそこは1階だが、建物は斜めの立地に建っているのでその下にも部屋がある。
下の部屋の廊下の突き当たりにドアがあり、その向こうが宿泊者専用の浴室。
廊下と宿泊者専用浴室の間に外へ出るドアがあり、そこから出ると、駐車場から降りてくる露天風呂行きの階段と合流し、川沿いの露天風呂や水車小屋と食事処に続いている。
日帰り入浴を締めた後は、駐車場から露天風呂に降りる門を閉め切って、宿泊棟からしか露天風呂に行かれないようになる。