◇◆信州高山温泉郷で夏休み◆◇
私たちはそれぞれ鍵を三つずつ渡された。
駐車場に面した宿の入り口の鍵と、部屋の鍵と、露天風呂へ続くドアの鍵。
日帰り客が宿泊棟の方に入ってこないように、出入りの度に鍵を閉めるよう言われる。
また、ご主人は自炊施設の使い方も説明してくれた。
ガスはコインを入れて使うタイプが設置されいているが、コインを入れなくても無料で使えるように設定されている。
各階に冷蔵庫は2台。
部屋での煮炊きは禁止。これが意外と面倒で、滞在後半になると私たちは図々しくも厨房に椅子を持ち込み、料理した後、厨房でそのまま食事することも多かった。
安い宿泊料ながら、子供たちの浴衣もちゃんと出してくれた。
また、一晩毎に浴衣を取り替えてくれた。
当たり前と思う無かれ。安いところは往々にしてそんなことはない。
さてその子供たち。
最初は二つの部屋のどちらかを子供部屋として占拠しようと考えたようだが、がっちゃんがトレーラーを開放してくれると、すっかりそこに住み着いてしまった。
文字通り。
いやはや遊ぶときだけでなく夜寝るのもトレーラーの中。
はっきり言って部屋を取る必要が無かったというくらい。
夕食の時だけ出てきて食べた。
後はもう三人で籠もりきり。
夜には雷鳴轟き豪雨が降った。
このところ東京の夜も同じだが、昼間は晴れているのに夕方辺りから天候が怪しくなり、スコールのように降ることが多いらしい。
明日は晴れるかな。
花火も買ってきたのに。
もう雨音だかせせらぎだか判らないまま、水の流れる音を聞きながら床についた。
そう、明日は晴れるかな。