チェックイン手続きは終わったが部屋に入れるのは2時以降ということで、それまでの時間、中島屋に行くことにしよう。
小枝子パパさんのいる蕎麦屋中島屋は、
たむらの坂を下りて
グランドホテルの手前、ちょうど右に朱塗りの橋があって群馬県重要文化財建築である
積善館、左に車が入るのはやっとという狭い落合通という通りがあって、この落合通の一角に中島屋は暖簾を下げている。
小松屋、中島屋と蕎麦屋が二軒並んでいるその奥の方の店だ。
外壁に「私たちが作ってます」と小枝子パパをはじめ、蕎麦栽培農家の方から製粉会社の方まで顔写真が貼ってある。
「今はこういうのが一番危ないんだよな」と冗談めかしてパパが言う。
年末には中国産のタケノコを国産と偽り、パッケージに「私たちが作ってます」と偽農家(関連会社の社員一家)の写真まで貼り付けた呆れた事件が公になったばかり。
あっともちろん小枝子パパさんの中島屋が不正をしていると思って言っているわけじゃない。
冗談、冗談ですって。
ガラガラっとドアを開けると時間が早いからか、店内に他のお客さんの姿は無い。
新年一番乗りっ・・・とパパは思ったらしいが、残念ながら以前はみやげ物屋に使っていたらしい奥の部屋に先客がいらした。こちらが新年一番乗りのお客さんだったそうだ。