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◇◆がんばれ新潟◆◇
雪国のお正月2007

6.松之山温泉スキー場での顛末










 もうとっくにお日様が山の陰に隠れた夕方5時頃、ようやくパパと子どもたちがナステビュウに戻ってきた。
 がっちゃんが先に入って、下駄箱に靴を仕舞っているパパに升酒を差し出した。
 一昨年の千手の湯でも同じだったが、新潟の日帰り温泉は元旦には無料で日本酒を振る舞ってくれる。
 でもこらこら、せめて飲むのはちゃんと入館料を払ってからにしようね。
 大人は体力の限界を超えたという死にそうな顔。
 なのにレナがぐずっている。
 カナはちび姫ちゃんと一緒にどこかへ行ってしまった。
 仕方がないのでレナを抱っこして大広間に戻った。
 「ほら、もう泣かない。隣で赤ちゃんが寝ているんだから静かに」
 大広間の私たちの隣には三世代と思われる一家がいて、よちよち歩きの男の子がさっきまでお父さんと遊んでいたが、今は遊び疲れたのかぐっすり眠っている。

 スキーでお腹が空いただろうと思って子どもたちに何か食べるか聞いてみたが、みんなあまり乗り気じゃない。
 がっちゃんが、スキー場で最後に沢山ラーメンを食べてきたからだろうと教えてくれた。
 とりあえずコシヒカリおにぎりと白玉あんみつ。
 みんな食べているうちにお腹が空いてきたのか、おにぎりは次々と追加注文が出て、結局三回ぐらい立て続けに買いに行く羽目になった。
 それから交替でもう一度お風呂へ。
 今度は子どもたちを連れて。
 さっきまでとは違い、洗い場はえらく混雑していて、ようやく一ヶ所見つけたシャワーをyuko_nekoさん一家と一緒に使わせてもらった。
 三人いる子どもたちの頭を順番にぬらして、順番にシャンプー、順番に流すといった具合。ベルトコンベアーの上の流れ作業みたい。

 内風呂にほんのちょっと入ってから、露天風呂に出た。
 「ここ、来たことある?」とカナ。
 うん。去年も一昨年も来たよ。覚えているかな。
 「去年はあの辺に雪がいっぱい積もっていて、お風呂の岩の上に雪を並べて遊んだよ」
 「レナは覚えてるよ」
 あのときは綺麗な夕暮れだった。
 今日はもう日が落ちて、まん丸な月はぼんやりと暈をかぶって目を凝らすと光の輪が二重に見えた。

ナステビュウの大広間休憩室にて



 何故か休憩室に戻ると、パパたちはさっき私たちの隣で赤ちゃんを寝かしつけていた家族と意気投合していた。
 奥さんと赤ちゃんはお風呂に行っているのか留守で、赤ちゃんのお父さんと、おばあちゃんが手作りの総菜やお菓子を広げていた。
 パパは自家製どぶろくまでご馳走になっている。
 がっちゃんが運転してくれるのを良いことに飲み過ぎ。

 さて、スキー場に行かなかった私はやっぱり昨夜の出来事同様、スキーでの顛末は全て伝聞。
 カナは結構、ちび姫ちゃんやがっちゃんと滑っていたらしい。
 レナは置いて行かれてパパと滑っていたことが多いようだ。
 帰ってきたときにべそを掻いていたのもそのせいかもしれない。
 「レナもリフトに乗ったんだよ」とパパ。
 へー、そう。乗るだけなら去年だって乗ったじゃない。
 「違うよ、一人で乗ったの」
 ひ、ひとりで~!?
 「なんで!? というか、こんな小さいの、一人で乗せてもらえるの?」
 「カナがぐずぐず言ったことがあって、仕方ないからカナと乗ったわけ。そしたらレナは一人で乗るしかないだろ?」
 そりゃあそうだけど。
 「まあ地元の子なんか、小学生で一人で乗ることも珍しくないようだからさ。それにちゃんと乗るときは係員が手伝ってくれた」
 す、凄いじゃん、レナ。










松之山温泉スキー場でパパが撮ってきたスナップいろいろ




2-7元旦の夜のプレゼントへ続く


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