子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★☆☆☆ 湯温は少し熱め、泉質は塩分が強く濃いので長湯注意
- 設備★★★★★ 雰囲気★★★★☆ 脱衣所にベビーベッド及びビニール袋の備え付けもあり
子連れ家族のための温泉ポイント
「余震が続くため、必ず従業員の指示に従ってください」
浴室の入り口にそんな張り紙があって、思わず身の引き締まる思いがした。
新潟県川西町の千住温泉千年の湯。
訪ねたのは2005の元旦。
二ヶ月と一週間前、ここ川西町は新潟県中越地震で被災した。
雪の積もる中、既にとっぷりと日は暮れて、町に震災の傷跡は何も見えなかった。
ただ、千年の湯の通路に子供たちの七色の塗り絵で「震災から立ち上がろう がんばろう川西」と書かれた紙が数十枚貼ってあって、あの日、とても恐ろしいことがあったことだけはひしひしと伝わってきた。
千年の湯は町中にあって、新しく大きく豪華な建物だ。
近くには千二百年前に坂上田村麻呂が蝦夷征伐の折りに安置したとされる千手観音があることから千手温泉と名付けられた。
駐車場からは曲線を描く長いエントランスを通っていく。
ロビーは大混雑だった。ちょうど夕方の混む時間帯なのだ。
券売機が新札対応ではなく、係員が使えないお札の両替に対応していた。困っているお客さんが居るとさっと声を掛けてくれる。なかなか温かみのある施設だ。
受付の横に大きな酒樽が置かれ、入ってくるお客さんに祝い酒を振る舞っていた。
地酒の松乃井。
思わず顔がほころんでしまう。
脱衣所も洗い場も混んでいた。
内湯は掛け流しでは珍しくぼこぼことジャグジーになっていた。
そう、千年の湯は町中のセンター系では珍しく、非加熱、非循環、源泉掛け流しを売りにしている。
既に外は暗く、内湯は湯気も凄かったのでお湯の色がいまひとつよく判らないのだが、それでも身を沈めると黒っぽいのが判る。薄いコーヒーの中に入っているような感じだ。
最初は少し熱く感じるが適温。
臭いはかなり強い油臭で、松之山とは違い癖のない柑橘系の灯油臭。私はこの臭いがかなり好きだ。群馬県の平野部でしばしば出会える臭いだ。
お湯の中ですべすべとする感触がある。
ここのお風呂は玉石風呂と桧風呂とあって、一週間交代で男女を入れ替える。
ちなみに内湯が玉石だと露天は桧で、内湯が桧だと露天は石になる。
今回は女湯が玉石風呂だった。
浴槽の縁に丸い大きな石をいくつもはめ込んである。
露天風呂に出てみると、いつの間にか雪が降っている。
内湯よりちょっとぬるめ。
暗い中にぼうっとした灯りとはらはら舞い降りる雪で、なんとも幻想的だった。
※一番下の湯口の画像と雪だるまの画像は、このとき同行させていただいたぽこぽこ温泉のがっちゃんに撮影していただいたものです
千手温泉千年の湯は後日取材して記事にしています。よろしければあわせてご覧ください。⇒「千手温泉千年の湯」温泉ツウも唸る、越後の源泉かけ流し!