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がんばれ新潟■雪国のお正月*2006■

8.越後の蕎麦は布海苔がつなぎ



 席は半個室のような所へ案内してもらえた。
 メニューの蕎麦に同じ様なものが二種類あったのでどう違うのか店員に伺ってみると、器が違うだけですと力の抜ける答えが返ってきた。
 つまり、へぎを使えばへぎそば、使わなければただのそば。
 子供たちには出汁巻き卵とおむすび、大人は天ぷら付きへぎ蕎麦を二人前。
 へぎそばと言うのは蕎麦の種類ではなく盛り方につけられた名称だ。
 養蚕のための蚕を育てる木の箱「へぎ」に、ちょうど織物用の糸を詰めるときのように8の字の形に蕎麦を並べて出したものを「へぎそば」と呼ぶ。
 さらに越後魚沼地方の蕎麦はつなぎに布海苔を使うのが特徴だが、この布海苔(海草)というのも元々織物の糸に張りを持たせるために糊付け用として使われていたもの。
 まさにこの地方の蕎麦というのは主産業の一つであった織物産業に根ざしている。
 布海苔を使った蕎麦の歯ごたえは独特だ。
 この間、松之山のじょうもんの湯おふくろ館で食べたときにも感じたが、葛切りのようなしこしこつるつるとした感触がある。
 蕎麦なんだけど蕎麦じゃないみたい。
 ここの蕎麦はおふくろ館のそれより洗練された味がしたが、おふくろ館の方がもうちょっと味があった。


出汁巻き卵と八海山 おむすびセット
これが越後名物へぎそば。ところでここでは蕎麦の薬味に辛子が出ます。越後は山葵が取れず辛子の産地だったから。 天ぷらもさくさく
しらたまと抹茶 和風アイス


 遅い昼食を食べている間にも、窓の外の雪は激しくなっていた。
 時々吹雪いてガラスの向こうで雪が嵐のように下から上へと吹き上げられる。
 お風呂に入っているとき、こんな状態でなくて良かった。
 今夜の宿は夕食無し、朝食のみで頼んであるので、蕎麦屋でできるだけお腹いっぱいにしておこうという貧乏症な私たち。
 後は途中でコンビニにでも寄ればいいかと気楽に構えていた。このことは後で後悔することになる。
 子供たちはデザートも食べて満足したよう。
 大人も蕎麦と天ぷらで大満足。
 店を出るとほんの1時間ぐらいの間に、車のフロントガラスに雪が積もって前がまったく見えなくなっていたのには笑った。

 さあ後は一路、六日町へ向かうだけだ。
 何もかも自力で何とかしなくちゃならなかった貸民家と違って、夕食こそつけていないもののいたせりつくせりの温泉旅館が待っている。
 部屋はぬくぬく、お風呂は掛け流し、お布団だって敷いてくれるはず。
 道だって、行きに通った幹線道路の253号線、山奥へ向かうわけじゃ無し、町から町への移動。何も心配ないはずだった。
 しかし、まだ落とし穴は潜んでいた。
 そして私たちはその落とし穴にずっぷりとはまりかけた。


ちょっと蕎麦屋に寄っている間に、駐車場の車はこんなに雪が積もっていた(助手席からフロントガラスを撮影・・・み、見えない~)




5-9.雪の迷路へ続く


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