4.湯船から杉林と雪原をのぞんで
当然お風呂も貸切状態だった。
思っていたより狭い作りで、タイル張りの浴室に長方形の浴槽がひとつ。
窓は広いが湯気が籠もって曇ってしまっていて閉塞感がある。
お湯は相当熱かった。
ホースで水を引き込まないととても子供は入れなかった。
一応
じょうもんの湯は松之山温泉郷の8つの源泉のうちひとつなのだが、いわゆる松之山らしい油臭や濃厚な塩分のようなものとは無縁だ。
肌触り以外、ほとんどこれといって特徴がない。
自然湧出しているとはいえ、13度の冷鉱泉。加熱循環して塩素投入もやむなしというところ。
ただ景色は良かった。
窓を開け放つと、冷たい風とともに粉雪が舞い込んできて、その向こうは杉林と雪原だった。