5.手打ち蕎麦と玄米うどんとあんぼ
 食事をするところは先ほどのロビーの所かと思ったら、奥にちゃんとした広間があった。
 18畳ほどの畳敷きのスペースの真ん中に、ぽつんとテーブルと四つの座布団。パパがそこで待っていた。
 このテーブルも私たちが来たので出してくれたらしい。広間は貸切だ。
 一面広く取られた窓からは、本当なら黒姫山、米山、尾神岳が臨めるのだが、残念ながら今日は雪しか見えない。
 おふくろ膳、ざる蕎麦、玄米うどんを注文した。
 蕎麦は単品で頼んだつもりが定食で出てきてしまったので全体としての量は多すぎたが、味はとても美味しかった。
 蕎麦はこのおふくろ館で手打ちしている。太めでぐにぐにとした歯ごたえがあり、つるつるとした食感。高級な蒟蒻のような不思議な味わいだ。
 玄米うどんは温かいのを頼んだ。
 昨今の健康食ブームを取り入れて、今年から始めた新しいメニューなのだそうだ。
 こちらはうどんというより蕎麦に近い味がする。
 天ぷらもさくさくで、汁物も具沢山。
 食べきれず、少し持ち帰らせてもらうことにした。
 デザートには餡の入った「あんぼ」。
 食べ終わったら何故か子供たちはパパの髪をゴムで縛って遊び始めた。
 ・・・アドゴニーみたい。
 この
おふくろ館、温泉としては今ひとつだけど、食事は美味しいし切り盛りしているおふくろさんたちがとても温かい。
 また機会があったら寄りたい施設の一つ。