6.松之山へ急ごう
途中、宮野原で郵便局を見つけて年賀状を投函する。
年末年始、いつもふらふらどこかへ出かける我が家は、何故かいつも旅先で年賀状を出している。去年は確か、群馬県の子持村で投函したはずだ。
ぼうっとカーナビに道行きを任せていたら、パパが「本当にこの道でいいの?」と聞く。
えーと、なになに? 405号線?
あっ、駄目駄目。国道だけど峠は冬季通行止めだ。
あわてて引き返す。
松之山温泉は豪雪地帯。40年前までは冬季は通じる道も無いような雪国だったのだ。
だから今でも冬の松之山へは353号線が唯一のアクセスルート。豊原峠はトンネルで越える。
トンネルに入る前、紺碧の空が目にしみた。
さて松之山に入ると何故か雲が空を覆い尽くしていた。
うっ、青空の下、雪見露天風呂は夢と消えたか?
松之山温泉は、草津、有馬と並び日本三大薬湯と呼ばれる。
それもそのはず、そんじょそこらの新興温泉とでは比較にならない成分の濃厚さ。塩分、ホウ酸ともに高濃度で、臭いがまた強力なアブラ臭と聞く。
松之山に源泉は七つあり、今から行こうとしているセンター系
ナステビュウ湯の山も、湯坂温泉という独自源泉だそうだ。