長寿の湯から上がると、ちょうど1時50分ぐらいだった。
もしかして置いて行かれたかもと思って慌ててロビーに戻ると、やっぱりみんないない。先に部屋に入ってしまったようだ。
部屋番号は覚えていないけど・・・携帯電話があるさ。
「・・・?」
私のau携帯電話のアンテナは三本ともばっちり立っているのに何故かyuko_nekoさんの呼び出し音が聞こえない。おかしいな。
何度かリダイヤルすると、呼び出し音無しでいきなり繋がった。
「遅くなってごめん、もうみんな部屋に入っちゃったんだよね?」
「・・・そう。あのね」
ぷちっと切れてしまった。
再度ダイヤルするがまた繋がらない。
仕方なくパパの携帯に電話した。
「562号室。フロント前のエレベーターで4階」
「了解」
電話を切るとyuko_nekoさんからメールが入っていて、内容は部屋番号だった。
私は
七味温泉で通じたドコモだから、まさかここで通じないとは考えもしなかったのだが、どうやら万座温泉ホテル周辺ではauの方が電波が強いようだった。
フロント前のエレベーターはすぐに判ったが、部屋番号の表示板を見ながら廊下を進んで途中で判らなくなってしまった。
あれ?
ちょっと戻ってもう一度確認する。いいんだよね、こっちで。
階段を上って階段の途中で通用口みたいな狭まったところを潜り、また階段を降りる。こっちに客室があるとは思わなかったのが迷った理由だった。
「ここだー」
やっと部屋を見つけた。