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◆◇九州温泉巡り旅行記◇◆
阿蘇-長湯温泉-黒川温泉

15.庄屋の館は南国の海の色の温泉








入口の注意書き。お湯を買えたばかりなので数日はコバルトブルー色が薄いとある。


 いやしかし、露天風呂に出てみて驚いた。
 ここは脱衣所を出ると、どーんと広い露天風呂が一つあるだけなんだけれども、そのお湯がセルリアンブルー。
 コバルトブルーじゃないって言えばそうなのかもしれないけど、コバルトブルー以上に衝撃的かも。

 そして硫黄成分でお湯のかかる所の岩とか床とか、漂白されたように真っ白。本当に目のくらむような白さ。
 だから、一応和風の露天風呂だと思うのだけど、イメージするのが常夏の南の海。




 いつの間にか空は晴れていた。
 雲はまだ多いが青空がのぞき、直射日光が降り注ぐ。
 真っ白な砂浜、セルリアンブルーの海・・・と来たら、これ、絶対椰子の木がほしい。いっそ和風止めて周りに椰子の木を植えたらいいんじゃなかろうか、そんな風に思うほどものすごいお湯の色だった。

 お風呂はかなり混んでいたが、広さも十分にあるのであまり気にならない。
 湯口や浴槽の縁の浅いところの岩は温泉成分でコーティングされてつるつるになっている。
 さっきも書いたようにそれが眩しい白さで、貫入のような綺麗なヒビが入っている所もある。

 そして足元とか岩の平らな部分のすべすべぶりが凄い。
 足元はさらにパウダーをはたいたように滑る粉が敷いてあるみたい。油断すると転倒する。
 でも触っても舞い上がるものは無い。ただつるつると滑るだけ。

 このすべすべ成分は肌にも効いて、指を腕などに滑らせると、猛烈にすべすべ。ものすごい効果。
 アワアワも楽しいけどこのすべすべもずうっと触っていたいぐらい楽しい。今までここまですべすべする温泉に入ったことがあったろうか。

 ちなみに浴槽の底も岩の表面も入浴者のお肌もすべすべだが、お湯の表面と岩の境の部分だけはすべすべじゃない。
 ここはよく見ると小さなパムッカレ状態で、うろこ状に析出物が固まっている。
 これも真っ白なので見様によっては貝殻に見えないことも無い。やっぱり南の海だ。


庄屋の館の浴室の外の飲用水は残念ながら温泉じゃないので青くない


 湯口は熱くて近寄れない。
 いっさい加水せずに冷ましているとのこと。
 ところでお風呂の真ん中あたりの大岩の片面も何故か白くなっていて、誰かせっせとお湯を掛けたのかと不思議になる。

 山は露天風呂の奥の方に行かないとなかなか見えない。男湯も同じようなものだったらしい。
 それにしてもここのお湯は入っている時だけでなく、出て乾いても猛烈にすべすべ。
 出てもしばらく感触が楽しめそう。





4-16湯布院駅前へ続く


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