◆◇九州温泉巡り旅行記◇◆
阿蘇-長湯温泉-黒川温泉
16.湯布院駅前
すべすべとは関係が無いが、お風呂から上がってから階段のところで足をひねってしまった。
予想以上に痛い。
「これから湯布院や太宰府天満宮を歩くけど歩ける?」
「・・・歩く」
とは言ったものの痛くて足首を曲げられない。変な歩き方だけどできるだけ痛んだ足は垂直に持ち上げるようにして、体重を掛けないように歩いた。
湯布院も車を停めるところに難儀するだろうと、パパは少し外れたところのコインパーキングを使った。
そこは県道216号線が由布院駅へ向かう道と二手に分かれるY字路の近くで、そこに車を置いて駅の方への直線道路を私たちはひたすら歩いた。私はというと足を引きずりながら。
ちょうど時刻は12時40分を過ぎたところで、お腹も空いている。
由布院駅前まで行けば食べる店も見つかるだろう。
よく九州の人気温泉地として湯布院温泉と黒川温泉は並び称せられる。
もちろん規模など全然違うのだが、山の中の黒川温泉がほぼイメージ通りだったのに対し、湯布院温泉がどんなところなのかイメージできていなかった。
湯布院と言うのは実際に来てみると、高速道路のインターから近い、JRの駅はある、開けた開放感のある土地で、しかもランドマークの由布岳がそびえている・・・と、元々観光地としては非常に恵まれた条件を有している。
実際、やまなみハイウェイから湯布院に近づいてくる時から、由布岳の雄大でありながらなだらかな稜線は、湯布院自体が平らな盆地であることから、否応にも強く印象付けられる。
しかしその一方、俗化も免れなかった。
有名な高級宿はきっと別世界なのだろうが、この駅までの道の両側は、駅に近づけば近づくほど雑多な雰囲気になり、店がぎっしりと言うわけではないが、何となく一昔前の清里とか、去年見た小樽の北一ガラス周辺とか、そのあたりを思い出すような感じになってきた。
観光客の姿も多い。外国人観光客も結構多い。
そして中世イタリアの礼拝堂を模したという独特の駅舎が見えてきた辺りの変形五叉路の鳥居の近くに、農産物直売所と合体したひだまり食堂という店を見つけて、そこで遅めの昼食を取ることにした。