子連れ家族のための温泉ポイント
- 温度★★★☆☆ 泉質★★★★☆ 湯口の近くは熱いが、他は適温
- 設備★★★★☆ 雰囲気★★★★☆ 真っ青なお湯は一見の価値あり
子連れ家族のための温泉ポイント
やまなみハイウェイを通って湯布院へ。
空は曇っているが、ところどころ雲が薄くなって日が差しかけているところもある。
途中の朝日台展望所からは森と、広がる田園と、その奥に雲が掛かった九重連山が見えた。
あとは崩平山を回り込んでどんどん下って行けば湯布院に着く。
「湯布院ではどこに寄るの?」と聞かれて、「庄屋の館」と答える。
庄屋の館で一番気になっているのはお湯が青いことだ。
束ノ間(旧 庄屋の館)は湯布院温泉の中にあると言うより北寄りに外れた立地で山が近かった。
日帰り入浴の人気も高いようで、立ち寄り客専用の駐車場があったが、宿が立派そうな割にはその隅の雑草も気になる駐車場には妙なオブジェが置かれていた。
・・オブジェと言うか、埴輪の馬? いやもっとリアル。兵馬俑の馬?
あっこっちには黒い兵馬俑の兵士の上半身みたいなのも埋まっているんだか置いてあるんだか・・。
館主の趣味なのか? この妙なところが何とも言えない。
駐車場に車を置いたら今度は徒歩で坂を登る。
この坂の両側は民家が立ち並んでいる。いや・・これも民家じゃないのか。全部じゃないのだが、実は離れ形式の束ノ間(旧 庄屋の館)の宿泊施設らしい。
そしてそれらの施設を統括する大地主のごとく束ノ間(旧 庄屋の館)が坂の上、左手に建っていた。
重厚な造りの瓦屋根の建物で、屋根の上はもちろん、何故か玄関の横にもしゃちほこが反り返っている。
ここまでの九州旅では空いているお風呂がほとんどだったが、流石は湯布院。いやいや本当に湯布院。
束ノ間(旧 庄屋の館)は大人気で、どこもかしこも人ばかり。
駐車場ではB級臭が漂っていたが、母屋から浴室棟に続く辺りなど十分に高級そうな雰囲気だ。
浴室棟の廊下や休憩室も都会的で洒落ている。
手前にある温泉櫓は錆びているが、それがまた一興。
男湯は由布岳大露天風呂、女湯は鶴見岳大露天風呂と名付けられ、暖簾の下がった入り口の前には説明書きの書いたパウチされた紙が貼られた板が立てかけてあった。
なになに。
あまりにもお湯の色が濃くなり、湯船の足元が危険になりましたので洗って入れ替えました。
2~3日はコバルトブルー色が薄いですが、成分は変わりありませんので、ご了承ください。
色は日ごとに濃くなります。 束ノ間(旧 庄屋の館)。
とにかく今日は真っ青じゃないかもしれないっていうことね。
いやしかし、露天風呂に出てみて驚いた。
ここは脱衣所を出ると、どーんと広い露天風呂が一つあるだけなんだけれども、そのお湯がセルリアンブルー。
コバルトブルーじゃないって言えばそうなのかもしれないけど、コバルトブルー以上に衝撃的かも。
そして硫黄成分でお湯のかかる所の岩とか床とか、漂白されたように真っ白。本当に目のくらむような白さ。
だから、一応和風の露天風呂だと思うのだけど、イメージするのが常夏の南の海。
いつの間にか空は晴れていた。
雲はまだ多いが青空がのぞき、直射日光が降り注ぐ。
真っ白な砂浜、セルリアンブルーの海・・・と来たら、これ、絶対椰子の木がほしい。いっそ和風止めて周りに椰子の木を植えたらいいんじゃなかろうか、そんな風に思うほどものすごいお湯の色だった。
お風呂はかなり混んでいたが、広さも十分にあるのであまり気にならない。
湯口や浴槽の縁の浅いところの岩は温泉成分でコーティングされてつるつるになっている。
さっきも書いたようにそれが眩しい白さで、貫入のような綺麗なヒビが入っている所もある。
そして足元とか岩の平らな部分のすべすべぶりが凄い。
足元はさらにパウダーをはたいたように滑る粉が敷いてあるみたい。油断すると転倒する。
でも触っても舞い上がるものは無い。ただつるつると滑るだけ。
このすべすべ成分は肌にも効いて、指を腕などに滑らせると、猛烈にすべすべ。ものすごい効果。
アワアワも楽しいけどこのすべすべもずうっと触っていたいぐらい楽しい。今までここまですべすべする温泉に入ったことがあったろうか。
ちなみに浴槽の底も岩の表面も入浴者のお肌もすべすべだが、お湯の表面と岩の境の部分だけはすべすべじゃない。
ここはよく見ると小さなパムッカレ状態で、うろこ状に析出物が固まっている。
これも真っ白なので見様によっては貝殻に見えないことも無い。やっぱり南の海だ。
湯口は熱くて近寄れない。
いっさい加水せずに冷ましているとのこと。
ところでお風呂の真ん中あたりの大岩の片面も何故か白くなっていて、誰かせっせとお湯を掛けたのかと不思議になる。
山は露天風呂の奥の方に行かないとなかなか見えない。男湯も同じようなものだったらしい。
それにしてもここのお湯は入っている時だけでなく、出て乾いても猛烈にすべすべ。
出てもしばらく感触が楽しめそう。