ともあれ、受付で入浴手形を提示し、浴室へ移動する動線上は雰囲気もよく、本当に混んでいたらどうしようと思った浴室も、ちょうど無人で独り占めできたことは何よりの幸運だった。
浴室はまず広さに驚いた。
入ると左手の窓側に小さめの水風呂があり、窓の方を向いた洗い場がいくつか並んでいるが、右手が大きな浴槽。
周りを岩で囲った岩風呂風だが、縁の岩はごつごつしておらず入りやすそう。
何となく薄い濁り湯にも見えるが、天気があまり良くなく、窓からの光が足りないこともあり浴室は薄暗い。あまりよくお湯の色は見えなかった。
浴室の一番端に露天風呂に出るドアがついていた。
そして外に出てみて本当にびっくり。
お湯の色が青い。
ガイドブックの写真で見た時は渋めの緑色に見えたので、てっきり緑の温泉なのだと思っていた。
それが本当に青い。栃木や福島辺りの山の方にある青白く白濁した硫黄泉ともまた違った感じの青さ。南の海を髣髴とさせるような。
露天風呂は2つあった。
浴室からの出口を出て正面の小さめの露天風呂は四角く、川を挟んで真正面に切り立つ岩の壁がせり上がっている。
凄い迫力だ。
そして浴室から見ると水風呂や洗い場のあった窓の外にあたる場所には、それこそ池と見まがうとんでもなく大きな庭園露天風呂があった。
誰も入浴客がいないのが非現実感を増している。
これって本当にお風呂? 池じゃなくて? と不安になるほど。
四角い小さい方は青い白濁湯だったが、巨大な庭園露天風呂の方は白っぽさが無く、本当に青い。
天気が悪いから鮮やかさには欠けるが、それでも驚いた色彩。
九州ではぜひ青いお湯に入りたかったので大満足。特に
黒川荘のお湯に青いという先入観が無かったことで、より楽しめた。感動した。