◆◇九州温泉巡り旅行記◇◆
阿蘇-長湯温泉-黒川温泉
19.入浴手形の二ヶ所目は黒川荘
黒川荘に行くためには、風の舎に出る急な石段を息を切らせながら登って車に戻り、温泉街外周の旧小国海道のさくら通りに出る必要がある。
黒川荘は温泉街を西に外れたところにあるので、できるだけ近くまで車で行きたい。
黒川温泉はとても有名な温泉地だが、本当に中心地をちょっと離れるだけでまったく建物の影も無い。まだこの先にも黒川荘の他にも何軒かの旅館があるはずだが、すっかり温泉地を抜けてしまったかのようだ。
簡易な地図で見た感じでは第3駐車場も第4駐車場もも黒川荘からの距離は変わらないように思えたが、第3駐車場が通り沿いだったのでそこに停めた。
今いる場所は車の通りのさくら通りで、西を向くと左手に田の原川が流れていて川に沿って流れに削られた低地が見える。
木立の合間からちらちら見えるその低いところに一軒だけ大きな旅館が建っていて、それが目的の黒川荘のようだ。
目の前に「よしご道」と表示のある遊歩道の入り口があって、さくら通りから細い石段で下に降りて行かれるようになっている。
雨上がりなのでぬれて滑るので注意。黒川荘に行くにはここを下りていく。
よしご道と書かれたここを下りるみたい
雨上がりで石段が滑りやすい
下の道に出た。道は合っているみたい。
立派な黒川荘の石碑があった。
近づいてみると黒川荘の建物は旅館らしい建物と一般民家みたいな建物が増改築を繰り返し、ごちゃごちゃと複雑に合体したような形に見えた。
手前に「ご案内」という看板があり、「露天風呂巡りをご利用いただくお客様へ 時間帯によっては大変混み合う事がございます。又、状況により待ち時間を頂く事がございますので、お客様には大変ご迷惑をお掛け致します。何卒、ご了承下さいませ」とビビるようなことが書かれている。
さらにその看板の下に別の小さな看板があり、そこには「混み合いの為、露天風呂巡りは只今■待ち」とも書かれている。この■の欄は、多分適宜数字を書くか貼るかするのだろうが、今は空欄になっていた。
常に混雑して、日帰り客は待たされるのがデフォルトなのだろうか。
確か読んだガイドブックにも、多くの観光客は入浴手形の1枚をこの黒川荘で使うことが多いと書かれていた。宿の駐車場が使えないから、場所はかなり不便なのにも関わらず。
しかし黒川荘の入り口は拍子抜けだった。
何だか裏口のような妙に寂れた雰囲気の場所で、そこから館内に入っても、やはりバックヤードのような雰囲気の廊下が伸びていて、あれれと思う。
受付を探して壁に貼られた矢印の方角に進んでいくと、弧を描いてロビーに降りる階段の前に出て、それでようやく判った。
私たちが入ってきた入り口は、やっぱり裏口だったのだ。
豪華というほどではないが立派なロビーにはやはり立派な正面玄関があって、おそらく宿泊客は黒川荘専用の駐車場に車を停めて、この玄関から入ってくるのだ。
しかし日帰り入浴客は山側の公共駐車場に車を停めて(中には温泉街から遊歩道を歩いて来るお客さんもいると思うが)、そのまま建物に近づくと、裏口から入って最初がっかり気分を味わうことになるのが残念だ。
宿泊客と日帰り客の玄関を分けている旅館は他にもたくさんあるが、黒川温泉は入浴手形で有名になった部分も大きいし、日帰り客が気に入って次は宿泊してみようと考えるとしたら、もう少しあの出入り口に気を使った方がいいかもしれない。もしくは正面入り口に直接誘導するとか。
第一印象と言うのは後々まで響くから。