ガニ湯本舗天風庵に戻ってだいたい夕方の6時ぐらい。
季節がら、まだ空は明るいが、ぽつぽつと建物の玄関辺りに灯りがともり始めている。
パパが
ガニ湯に入ってみようと言い出した。
結構驚いた。何しろ道路から見下ろせばそのまんま丸見えで、川向いの旅館の窓からもたぶん丸見えで、その上昼間はほとんど誰かしら観光客が物珍しげに周辺を歩き回っていたからだ。
もちろん誰も入っているのを見ていない。
ガイドブックなんかには、女性でも入っている人はいますよなんて書いてあったけど、流石に自分はある程度暗くなってからでないと難しいと思っていた。