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◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記

36.バスが着いたのは二条駅で二条城ではなかった






 疲れたしレナは部屋で待っているし外で夕食を食べる気にはなれない。
 四条大宮の交差点周辺にはいくつかコンビニがあるので夕食と明日の朝食の分を買って部屋に戻ることにした。
 ところが部屋に着くと・・・レナはソファーの上で爆睡していた。

 ・・・まあレナが寝てしまうことは半分予想できたが。
 実は今日はまだ予定していたことがある。
 それはライトアップしている二条城を見に行くことで、ここは日帰り温泉に行っている間休息させたレナも連れて行くつもりだったが、もう一度寝てしまった以上行かないだろう。
 部屋の端にマットレスと布団を敷いてレナをそちらに移動させた。
 半分寝ぼけていたレナは、自分がいつ布団に移動したか翌朝思い出せなかったそうだ。


この画像は天翔の湯からの帰り道



 最初から滞在中の観光プランニングは、昼の部と夜の部に分けて考えていた。
 夜の部は桜の開花にあわせてライトアップしている神社仏閣が中心だ。
 ライトアップと言えば最も有名なのが清水寺で、最初の予定ではこれを初日の夜に入れることも検討したが、やはり最初から飛ばすと体力が心配なので、この日はエリア的に独立している二条城に決めた。

 えっ、いくらなんでも予定詰め込み過ぎ?
 だよねぇ。
 パパが一緒の旅行だとこんなに動き回ることは無いんだけど、旅好きの私はせっかく来ると見たいもの、知りたいもの、行きたいところ、体験したいこと、もう山盛りでさ、だからどんなに歩き回っても後悔しないんだけど、パパとタイプの似たレナは夜の部は休息できるプランにしておいてよかった。
 ちなみにカナは私と似たタイプで、時間があればいろいろ行きたいって言うし疲れない。

 荷物を温泉セットから観光地図に入れ替えて、ヴィラージュ京都を出発したのはちょうど夜の8時。
 確か四条大宮から二条城方面へ行く市バスは46か201か206・・・。
 最初に御室仁和寺へ向かった時と同様、四条大宮の交差点のどこから目当てのバスが発車するのかよく判らず迷ったが、とにかく交差点へ向かうと、そのうち一本が走ってくるのが見えた。
 「あれだ、あれ!!」
 急いで乗り込む。
 良かったぁ、間に合った。





 しかし走り出してから何やら不安が頭をもたげてきた。
 昼から仁和寺、龍安寺、金閣寺、平野神社、北野天満宮と巡ってきて、方向音痴の自分にもようやく少しだけ土地勘みたいなものがついてきたが、出発地が四条大宮で、目的地が二条城・・・。今こうして四条から二条まで上がっているわけだけれども、東西はどうなんだろう。どこかで曲がらないと二条城の位置にはつかないのではないだろうか。

 ハッと気が付くと、次のバス停は二条駅前だった。
 二条城じゃなくて二条駅だが、ここを過ぎるとさらに一条、もっと北へとバスは行ってしまいそうだ。仕方なく停車ボタンを押して降りた。
 二条駅らしい高架は見えるが、自分が今いる場所から二条城ってどっちにあるんだろう。
 昼間ならすぐにわかるものも、夜だと地図を見るのも不便。えーっと・・・

 自分ではとにかく二条を東へ移動すればいいと思っていたが、正確には駅前の千本通りを少しばかり北上して、押小路通りを東へ移動するのだった。
 地図を読むカナの指示に従って広い交差点で右折する。
 距離感覚が全然つかめないが、しばらく歩くとお城の外塀が見えてきた。これこれ、これだよ二条城。






1-37二条城ライトアップへ続く


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