朝ご飯も豪華だった。
場所は昨夜夕食を取った月の間。
野菜や茸と紙鍋で熱した湯豆腐と温泉卵が美味しかった。
足の悪い女将さんはチェックアウトの後も鍵を使って外湯を回って良いと言ってくれたので、ラストの
渋大湯はチェックアウト後に行くことにした。
それにしてもこの宿は本当に女将さん以外の人影を見かけない。
料理を作ったり布団を上げ下ろししたりする人もいるだろうに、気配すらないので、もし女将さんと人には見えない妖精さんが宿を切り盛りしているんだよと言われても信じてしまいそうだ。
朝の露天風呂は夜とはまた雰囲気が違った。
ひしや寅蔵の貸切露天風呂は貸切で使うにはもったいないほどの広さ。温度を変えて岩の浴槽が三つ。それぞれに竹筒からどぼどぼと出ている。
お湯は透明で同じひしや寅蔵の延寿の湯や一番湯~三番湯の外湯に似ている感じ。
他に宿泊客がいないので、三つのお風呂が使い放題って本当にぜいたくな気分。もしかして外湯を回らずにひたすらこの露天風呂で本を読んでいるとかそんな過ごし方も幸せかもしれない。