◆◇草津温泉と渋温泉◇◆
真夏の外湯巡り
八番湯 新明滝の湯まで戻ってきた。
ちょっと白濁して見えるお湯は今朝も激熱だった。桶で汲んで指を入れて思わずため息をつく。これはまた相当水を入れないと入れそうにない。
もう渋温泉の外湯は水で埋めることにまったく罪悪感は無い。躊躇もしない。
蛇口の水全開。
それから湯口の樋の板をはめ込もうとして、持ち上げると板の下の部分にお湯を通す凹みがつけられていることに気付いた。
もうこの熱湯もいったん止めちゃうかと板をひっくり返しに差してみた。あまり効果は無いが、ちょっとは供給量が減ったかも。
適温より気持ちぬるめにしてふーっと一息。浴槽の木の縁にもたれかかる。もうじきこの旅も終わりだぁ。
ちとぬるめすぎたかなと心配になったころ、次の入浴客が浴室に入ってきた。
はっ、これは観光客じゃなく地元の人。既にぬるくなっていたので蛇口の水は止めてあったが、すいません、水、入れすぎましたと内心青くなる。
私は上がって代わりにその人が入った。
どうするのかなと思っていたら、その人はいきなり湯口の樋の札を外して熱湯源泉全開にし、一方、水の蛇口も開けて、その両方を桶ですくって混ぜ合わせ、自分に掛けていた。
あっ、なんか通な感じ。