子連れ旅行温泉日記の目次子連れ温泉ガイド地熱愛好会 > 子連れ旅行温泉日記 > 晩秋の草津旅行記 > 3-3みたび千代の湯

晩秋の草津旅行記

3.みたび千代の湯







老舗旅館大阪屋の手前に千代の湯



 今朝の湯畑前の空は曇りだ。
 天候は下り坂。
 でもまだ雨は降りそうにない。
 日曜日の湯畑は、昨日以上に人出が多い。これから宿のチェックアウト時間に合わせて益々混雑してくることだろう。
 人ごみをかきわけるようにして千代の湯に急いだ。
 「おはようございます」
 今朝は副湯長ではなく、前回地蔵の湯でお会いしたIさんがお湯の準備をしていた。
 女性用脱衣所は今日もひっそり。
 でも支度の前にストーブをつけてくれたので部屋は暖かい。
 男性の方は紺碧七さんと短期湯治中の方以外にも親子連れの体験希望者がいるようだ。声だけしか聞こえないので年齢の程は判らないが、お子さんも既に大きいようだ。お父さんの言葉は早口の関西弁。
 昨日も感じたが、時間湯は体験希望者に広く門戸を開いたことにより、急速に知名度が上がっている。今までは昔の入浴法だろうとか、湯治の人しか関係ないと思っていた人たちにはもちろん、時間湯の名前も聞いたことが無かったような人にも、草津に来たらやってみたいと思われるようになってきたようだ。
 時間湯を必要とする人がいる限り、これ以上時間湯のできる施設を減らしてはならないと思う。
 また、次世代湯長を育てていくには、多くの人の協力と長い時間が必要だ。
 一人でも多くの人に時間湯を知ってもらうことは決して遠回りではないはずだ。




 今日は初めて湯口から一番遠い場所に案内された。
 それに一人きりだ。
 6月に初めて千代の湯の時間湯に来たときも、他に女性がいなかったから一人で入湯した。
 今日は浴槽をのぞくとまだらに見えるほど湯の花がいっぱいで、昨日とはまるで違うお湯のようだった。
 湯口から遠いけれど温度的には昨日の夕方より少し熱いくらい。
 それでも熱過ぎはせず、気持ちよい。
 今日の千代の湯は染み通ると言うよりまとわりつくような感じで、これはこれで面白かった。
 上がった後、Iさんにどうでした? と聞かれて、やっぱり「気持ちよかったです」と昨日と同じ台詞を答えてしまった。
 ちなみに地蔵の湯だととてもこんな軽口は叩けない。いや、井田湯長さんが怖いとかそういうんじゃなくて、常に自分の限界を目の前に見てしまうので、上がった後は口も利けないのだ。



3-4草津温泉のニセ湯の花に思うへ続く


晩秋の草津旅行記 目次 | 子連れ温泉ガイド地熱愛好会HOME