次は掛け湯です。
普通お風呂に入るときのように、心臓に遠いところから順に胴体に掛けてはいけません。これにも決まり事があります。
まず持ってきた手拭いサイズのタオルを頭に乗せます。
畳んで乗せるのではなく、はらりとかぶるように乗せます。
ちなみに私は落ちないようにそれを顎の下で結ぶのかと思って、やったら止められました(笑)。これではドロボウみたいです。みなさんは結ばないで下さい。
そして、湯船の縁に近づき、桶で頭からお湯を掛けます。
30回掛けます。
いきなり「やって下さい」と言われたときは躊躇しました。
だって目の前の浴槽のお湯は普段入っているお風呂のお湯よりずっと高温だし、酸性のお湯を頭からかぶったことなんて無かったからです。
本当にこれ、掛けても大丈夫かな、と思いますよね(大丈夫です、安心して下さい)。
とにかく無我夢中でお湯をかぶりました。
思ったほど熱くないです。体と違って頭はそれほど熱さに敏感ではないようです。
数が判らなくなるといけないので、最初は声に出して数えていましたが、そうすると口からお湯が入ってくるので途中から声を出さずにカウントしました。何となく、草津の酸性泉が口の中に入ると歯に良くない気がして(笑)。それほど気にしなくて良いのでしょうけど。
目を開けていると目にも入ってきそうなので、ぎゅっと目をつぶりました。
そうすると今度は鼻から入って来るんですよね。
やっぱり最後は口を開けて掛けていました。
このときなるべく体にかからないように注意して、頭だけにお湯を掛けるのがポイントです。
たまにタオルがずれて落ちますが、タオル無しで頭から掛けると、流石に少し熱いしのぼせやすいので気をつけましょう。
頭からお湯を掛けることによって、効率的に体の血管が開きます。これから入浴する時間湯の効き目が高くなるわけです。
後から思いましたが、栃木県の
那須湯本温泉鹿の湯にも頭からお湯を掛ける伝統の入浴法があります。私が行ったときも木の柄に金属のついた「マイ柄杓」を持っている常連さんがいるのを見ました。
あそこも酸性泉だし46~48度など高温の浴槽があります。
もしかしたら時間湯に似た特別な療養入浴法が伝わっているのかもしれませんね。
30回頭からお湯を掛け終わったら、次は軽く下半身をお湯で流します。
汚れを落とすような感じです。
このときもできるだけ胴体の部分にお湯が掛からないように注意します。